
(株)コーシングラフィックシステムズ 1990年
Professinal FPはプリントアプリケーションである。その”FP”とはキヤノン製のカラープリンタ「FP-510SPA」用として開発されたためにその名を付けた。
FP-510SPAはインクジェット方式のフルカラープリンタであり微妙な階調表現を可能にするためシアンとマゼンタは濃・中・淡と3通りの6色が用意され、その他イエローとブラックの計8色インクを使うという当時としては贅沢な仕様だった。

もともとこのプリンタはいわゆるビデオプリンタとして開発されたものだったが当時カラーグラフィックス利用にずば抜けた能力を持つと期待されはじめたMacintoshで使えないものかと当社に持ち込まれたのがそもそもの発端だった。
シリアル接続のためその印刷には大変時間がかかったが、マット調の印刷結果は抜群の美しさだったこともありユーザーの中には近年まで愛用していた人も多かったと聞く。
現在は写真クオリティのカラープリンタも珍しいものではなく、その価格も信じられないほど安価になっているが1990年当時はまだまだこの種の製品は簡単に手に入れられる製品ではなかった。だからこそ今では考えられないくらいにカラープリントに思い入れがあったし機器類を大切に使ったものだ。
だからというわけではないがProfessinal FPは「FP-510SPA」の能力を最大限に引き出すよう工夫した。微妙なカラー調整用としてガンマ曲線の設定ができること、印刷するデータをあらかじめ複数枚読み込んでおけるカタログ機能とそれらを一枚にレイアウト印刷する機能、印刷の際のトリミングや縦横に複数枚配置して印刷する機能、そしてモニター上と印刷結果の色合いを近づけるためのカラーチャート印刷機能などなどである。
それからこのProfessinal FPに関しては個人的な思い出がある。それはその30ページほどの薄いマニュアル原稿を書き上げるために会社設立後はじめて泊まり込みをし、会社の堅い机の上で仮眠したことだ(笑)。
メモリが十分でない時代だったが、それだからこそコンパクトで使いやすいアプリケーションが求められていた。Profesional FPはその後Version2.0まで進化することになる。