
(株)コーシングラフィックシステムズ 1991年
現在のMacintoshは申し分なく高速だし周辺機器も多義にわたって豊富で安価になっている。ソフトウェアも沢山あるし不自由はなく良い時代だ…..と思っている方々も多いだろう。
確かにある面ではその通りだが実際にちょっと工夫をしなければならないことがあるとすれば今も昔もできることとできないことはそんなに違わない。それどころか昔の方が「できた」のに、今の方が面倒だったり「できなくなっている」という類のこともあるのだ。
さて「ビデオ機器をMacintoshからコントロールしたい」と考えたらどんな方法があるだろうか。確かにiMovieと対応するデジタルビデオカメラはFireWireケーブル一本で接続でき、Macintoshからそれらの機器をコントロールしている。しかしその動作はビデオテープの映像データをデジタルに、またはiMovie上のデジタルデータをデジタルビデオカメラのテープに記録するという至極目的が狭められた範囲のコントロールだ。
したがって例えばアナログとしての自作のプレゼンテーション資料を「画面の任意部分をクリックするとMacintoshにつながっているビデオがスタートしたりストップする…」といったコントロールは簡単にはできない。まあ昨今はデジタルデータとして作ることが出来るので時代が違うのだが…。

実はVbox Control XCMDをリリースした年には大変狭い利用環境ながらこうしたことをユーザーがフレキシブルに組み立てることができた二つの環境がそろっていた。
そのひとつがApple社の純正アプリケーションであるハイパーカードであり、二つ目がソニーがサポートしていたVISCAプロトコルだった。そしてVISCAプロトコル利用の実現をハードウェアとして提供したのがソニー製Vbox(製品型番CI-1000)であった。
これらを旨く組み合わせることでユーザーはハイパーカードを使い、目的のスタックを作り込み、その好みのGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)からビデオ機器を自在にコントロールできることになる。
やっと本題に入るが、Vbox Control XCMDというソフトウェア製品はVboxをハイパーカードからコントロールするための外部コマンドである。などと書くとメチャ難しい感じがするかも知れないが例えば…..
VBOX 0,1,11,40
と記述すれば、「モデムポート、アドレス1のVboxに接続されているビデオをプレイする」ということを意味する。コマンド表とVbox Control XCMDのマニュアルを眺めながらであれば難しいことはない。
ということでVboxとハイパーカード、そしてVbox Control XCMDを利用すればLANC端子もしくはControl-S端子を備えたソニービデオ機器をMacintoshから制御することができたのである。しかし残念ながらソニーがこのVISCAプロトコルのサポートを止めたこと、そしてAppleもハイパーカードの供給ならびにサポートを止めた関係上、同種のことを手軽に実現する手段はなくなってしまった。