
Specular International. 1993年
1994年といえばその2月にバンドルソフトを豊富にしたPerforma 575(MC68LC040/33MHz)が発売されMacintoshの低価格路線真っ盛りといった様子を見せ始めた時代だった。しかし現在のようにインターネットが浸透していなかった時代のため、パソコンをそれこそ家庭に一台入れるためにはより多くのバンドルソフトを同梱することが一番効果のあることだと考えられた。しかしPerformaシリーズは結果論として国内メーカーの値引き競争に引っ張り込まれ失敗に終わったとされている。

当時はそんな時代だったがパソコンは確実に家庭や職場に入り込んでいったのもまた事実だしマーケットが広がるだろうという楽観的な見込みもありソフトウェア製品も多種多様な製品が登場し活気を見せていたころだ。
このSpecular社のcollageもそうしたときに登場した製品で1994年1月のサンフランシスコにおけるMacworldExpoでもかなり話題をまいた製品だったが一年も経つとその名は忘れ去られてしまった。
コラージュとは「貼り合わせ」といった意味で写真やイラストなどの断片を組み合わせ、貼り合わせて独自の表現効果を求める手法だがこのCollageはそれをMacintoshで実現するためのソフトウェアだった。そしてデザインの現場ではしばしばこの手の手法を多様するので大変期待されたソフトウェアでもあったのだ。
あらかじめマスキング処理を行いPhotoshopで作成したデータをCollageにインポートしその大きさや位置は勿論、回転などを考えながら文字通り自由なコラージュを試みることができるという製品だった。私もSpecular社のブースでしばしCollageのデモに見とれ、そして購入したが何故それほどまでに忘れ去られるのが早かったのかは明白である。
それはPhotoshop自身の機能がCollageといった外部のソフトウェアを必要としないほど急速に充実したからである。Photoshopだけで同等なことが可能なら誰も別のソフトウェアを買ってはくれない。
私の印象ではその翌年の1995年ぐらいからだろうか、米国のソフトウェア産業も寡占化が急速に進み始めたと考えている。