Cricket Software,Inc. 1986年 

1987年にAdobeからIllustratorがリリースされるまでグラフィックソフトウェアには大別してペイント系と呼ぶビットマップを操作する製品とドロー系と呼ばれるオブジェクト単位でデータを扱う製品とがあった。 
cricketdraw
このCricketDRAWはその名からも分かるようにドロー系のアプリケーションとして登場した製品だがポストスクリプト印刷に対応すべくリリースされた製品でもある。さらにIllustratorのようにアンカーポイントなどの機能はないものの、フリーハンドで描いた線や連続直線をオブジェクトデータにしてくれるなど、いま見るとドローアプリケーションとポストスクリプト・グラフィックの間を補完するような製品に思える。 
時代的にもIllustratorなどの登場を予感していたのかも知れない。 
CricketDRAWのサンプルにはあたかもビットマップによる絵みたいなものがあるが、これは「ドローソフトでもこれだけ自由度のある描写ができますよ」というメーカーの主張であったように思える。 
私自身それまで使っていたApple Computer社純正のMac Drawがそろそろ機能不足に思えていたので暫くの間、このCricketDRAWを愛用していたことを思す。事実大変安定した製品であり出来の良いソフトウェアであった。 
なおCricketSoftware社は現在のマイクロソフト社のようにその一連の製品名の頭に”Cricket”という名を必ず付けていた。それらの中にはCricket GraphとかCricket PAINTなどがあったように記憶している。