
Electronic Arts 1988年
Studio 8の”8″は8ビットカラー、すなわち256色カラーのアプリケーションであることを意味している。そしてStudio 8はその256色カラー時代のもっとも端正で完成度の高いペイントアプリケーションだといえるだろう。
幾多の素晴らしいソフトウェア製品をパブリッシュしたElectronic Arts社の面目をいかんなく発揮した逸品であった。

とはいえStudio 8はコケ脅かし的な大業の機能を持っているわけではない。ペイントソフトウェアとして必要十分なそしていくつかの実用的なツールを装備しているまっとうな製品である。そしてほとんどのツールはこれまでMacPaintから綿々と続いてきた歴史と伝統ともいうべきインターフェイスと違和感がなく、そのためにあらためて多くのことを学ぶ必要がないことも利点だった。
特筆すべき機能をあえて記せば、ウィンドウ上の任意の場所に置いておけるティアオフ・ツールメニュー、グラデーション、WaterColorすなわち水性ペイント機能、マスク機能などなどだが私がStudio 8で多く使った機能としてはFill Perspective Plane機能がある。これは画面に描いたパターンを画面ごと奥行き感のある疑似3D表示にしてくれるもので地面に敷き詰めたタイルなどという表現を至極簡単にしてくれた。
さてStudio 8については触れておかなければならないことがひとつある。それはMacintoshのソフトウェア製品の歴史においても特筆されるべき素晴らしいマニュアルを供給していたことだ。
昨今のように低コストを目標とすることを第一に製品化しなければならない時代では考えられないことだがそのマニュアルは大変立派であり、本屋の洋書コーナーに置いてもひけをとらないようなまさしく書籍の形態を持ったものである。
Studio 8はその後Macintoshのフルカラー化にともない、Studio 32というフルカラー版の登場を見ることになる。