
ここのところiPhone 3Gのカメラ関連アプリケーションに関しては沈黙を守ってきた。実際には相変わらず興味のあるものをダウンロードしているがすでにアイデアは出尽くした感もあるものの「PhotoFunia」という無料アプリケーションはそのクオリティの高いことはもとより、何かに使ってみたいという衝動を覚えるユニークなソフトウェアであり、久しぶりに時間を費やして楽しんだ。
これまでにもiPhone 3Gのカメラ機能をサポートする数々のアプリケーションを紹介してきたが単に写真を撮るだけでなく面白い、あるいはユニークな機能を付加したアプリは数多く登場した。しかしここのところあらためて取り上げるような奇抜さも感じなくなり特別紹介させていだく情熱が冷めつつある…(笑)。
デジタルカメラとしての性能を比較するなら正直iPhone 3GSの300万画素などオモチャみたいなものだが、常に携帯するというその利便性ゆえに意外と活用の幅が広いのが特徴でもある。しかし外出時には別途デジタルカメラを携帯することが多い私としては「ちょっと変わった写真が撮れます」といった程度の機能では正直…飽きてきた感もあるのだ。
モノクロ写真、1度に時間差の複数枚写真を撮る、トイカメラ風写真…等々といったアイデアは確かにLOMOなどのアナログカメラで遊んできた私としても最初は面白かったが後々まで印象が残るようなインパクトの強いものは少ない…。
iPhone 3Gのカメラ機能を活かしたアプリケーションの中でもこうした傾向とは別種のアプリケーションもいくつか登場している。例えば「iCandyPix」のようにiPhone 3Gで撮った写真にセクシーなお姉さんたちを合成して写真を作ってくれるといったものだ。
お姉さんがどうのこうの…というのではなく、この種の合成アプリケーションは100%遊びとしてもアイデア次第で面白いものが作れると考えていたが、今回ご紹介する「PhotoFunia」は無料であるのが申し訳ないほどクオリティの高い製品であると同時にフィルタ…すなわち合成対象のテンプレートが豊富なのも素晴らしい。
※「PhotoFunia」のスタートアップ画面(左)と用意されているテンプレート類(右)
「PhotoFunia」はiPhone 3Gでリアルタイムに撮影あるいはライブラリに保存してある写真…一般的にはポートレート…をリアルなシーンに合成してくれるアプリケーションである。
テンプレートは最初から80種以上もあり、かつ今後も増えていくという…。
素晴らしいのはそれらのテンプレート、すなわちユーザーの撮った顔写真と合成する背景のリアルさである。
ショッピングセンターやミュージックショップの広告写真や美術館に展示されている作品にユーザーの撮った写真が簡単に合成される仕組みである。
その用意されたテンプレート写真のリアルさと合成の自然さとが相まって上手に作ればこうしたアプリケーションの存在を知らない人たちをあたかも写真が真実であるがごとく騙すことも可能だと思うほど良く出来ている。
以下は他人の顔写真を使うわけにもいかないので自分の写真…それもあえてモノクロの写真を使った例をいくつかご覧いただこう。
リアルなのはいくつかのテンプレートに人物も登場していることだ。例えば美術館には来場者がいたり、壁面のポスターを貼っている(取り去ろうとしている)作業者も写っているから大変自然な1枚が作れるわけだ。
テンプレートはいわゆる広告や美術館の作品だけではない。貴方の顔でコインや紙幣ができたり、本の1ページや新聞に載ったりと様々なシミュレーションというか悪戯を楽しむことが出来る。
またすべてのテンプレートを確認したわけではないが、例えば「Warhol」では同じ写真を使っても結果のカラーリングやテクスチャに違いがでるといった懲りようも素敵である。
なお出来上がる写真のサイズはテンプレートにより違うようだ。ただしユーザー側の写真を位置合わせのためにトリミングやサイズ変更などができると良いのだが残念ながら事実上はテンプレートに合わせて写真を微調整する必要に迫られる場合もある。
それらの出来の良さは理窟でなく実際にご覧いただければお分かりになるだろう。
無論、時間と費用をかければPhotoshopなどでこうした合成はいくらでも可能だ。しかしプロフェッショナルな方はともかく、アイデアはもとより目的に見合う場所で撮影することすら実際にはなかなか難しいことだし、なによりも遊び感覚でイージーに楽しむことが出来る点がこの「PhotoFunia」の優れたコンセプトなのだろう。そしてそのクオリティもイージーだから子供だまし…といったものではなく大変よくリアルに作られていることが素晴らしい。
こうなるとiPhone 3G向けだけでなくMacintosh用…Photoshopのプラグインといったものも期待したいと思わせるほどだ。
もしかしたらすでにそうした類の製品が存在するかも知れないが、例えばより豊富なテンプレートを用意し、合成の際に写真のサイズの調整機能や合成方法のバリエーションを増やしたり、シーンのテキスト部位(看板や店名など)を変えることができたりすれば応用の余地も増えるに違いないし、より解像度の高いイメージを手軽に作ることができるだろう。
ともかくこの「PhotoFunia」はいずれ何らかの形で有料に進展するものと思うが、今後が楽しみなソフトウェアである。