
常に携帯するには些かかさばるが、SONYの新型デジタルカメラ「DSC-HX1」を常に身につけて丸1週間ほどになる。まだまだその多機能のすべてを知り尽くしたわけではないが、デジタルカメラを使う面白みを感じさせる数々の特徴や機能は私のメインデジカメの地位に上り詰める勢いである(笑)。
「DSC-HX1」の利点は多々あるがまずはバッテリーの持ちが良いこと…。丸一日あれこれと活用する程度では十分なパワーを持っている。そしてファーストインプレッションのときにも書いたがその基本的な操作系はなかなか分かりやすく取扱説明書と首っ引きでないと使えないようなことはない。また今風のデジカメと比較するとその電源を入れた際の起動時間は少々もたつく感じだが、個人的には苦にならない。
※SONYの新型デジタルカメラ「DSC-HX1」
ちょっと気になるのは秒間10コマ撮影など高速連写の場合にその処理が終わるのに数秒かかり、その間の撮影ができないことぐらいだろうか。
オートフォーカスも大変機敏だし通常の撮影は状況を自動的に判断して撮る「おまかせシーン認識」にしておけば夜景、夜景&人物、三脚夜景、逆光、逆光&人物、風景、マクロ、人物をカメラが判断してくれる。
また背面にある3.0型の液晶は上下にチルトが可能であり、ハイアングルやローアングル時に無理のない撮影ができる。また液晶を消してファインダを利用することもできるが、そのファインダに視度調節がきちんと付いているのも好感が持てる。
※「DSC-HX1」の液晶部は上下にチルトが可能
さて、何と言っても「DSC-HX1」最大の売りはカメラを左右あるいは上下に振るだけでパノラマ写真が撮れる「スイングパノラマ撮影」だろう。
パノラマ撮影は確かにカメラを振るだけだが、効果的な…そして意味のある写真を撮るのは些かこの機能の理窟を知りコツを習得しておく必要がある。
そのパノラマは「標準」と「ワイド」が選択できるが「標準」は最大154度で4912×1080ピクセル、「ワイド」は最大224度で7152×1080ピクセルという巨大な写真となる。
※スイングパノラマはスタンダードとワイドを選べる(上)。またカメラの移動方向をあらかじめ決めておく必要がある(下)
パノラマ撮影の仕組みは秒間10コマで撮影した約100フレームほどのデータを「DSC-HX1」が約1秒程度で画像を補完してつなぎ合わせてくれるというものだ。各フレームは手ぶれ防止機能が働くと同時に画像の歪みの少ないフレーム中央領域を利用するため、文字通り歪みの少ない写真が撮れる。
問題はシャッターを切り約5秒ほどの自動撮影中にワイドなら224度ほどなるべくカメラをブレさせず、そして均等に右から左あるいは左から右へと(勿論上下モードもある)カメラを振ることが重要だ。したがって手持ちでも十分撮影は可能だが三脚を使えばよりつなぎ目が目立たない写真が撮れるだろう。
特にワイド設定の場合、上手に撮影すれば180度以上の視野角を1枚の写真に撮れるわけで、例えば左右の道路に対して直角に位置してカメラを左右に振れば道路の左方向から右方向までを一望にした写真が作れる。これは単にパノラマ写真というだけでなく使い手のアイデアにより様々な活用が生まれるはずだ。
※パノラマで撮るとY字路のようだが左右に伸びた一本の道路だ。クリックすると拡大します
ただしその写真が観光地であろうと近所を撮ったものであろうと閑静な風景であれば文字通り単純なパノラマ写真だが、そこに動的な対象が入るとどういうことになるかに興味がわいた…。なぜなら実際のシーンには人が歩き車が行き来するわけだから、そうした動きのある物体が存在するときパノラマ写真はどんな効果を生むかという興味である。
早速2種類のテストを試みた。
まず車道に平行している歩道に車道に向かって立つ。ちなみに車道は一方通行で車などは向かって左から右に移動する…。
この状況下で「DSC-HX1」のスイングパノラマ撮影を実行し、カメラを左から右に振ってみた。
最初の試みは車が近づいたのを幸い、シャッターを押し車の移動を追いかけるようにカメラを左から右に振って結果である。その出来はある程度予想できたが、車のスピードとパノラマ撮影のコマ撮りがシンクロしたことでパノラマ写真中央に自動車が重なり固まって写っている。
※クリックすると拡大します
次のテストは頭の中でシミュレーションした通りの結果を生むことができた例だ。ただし通行する人たちは知らない人たちでありやり直しは勿論移動スピードや位置など注文を付けることができない一発勝負のため、結果左側の自転車に乗った人物が歪んでしまい最良の写真とはならなかったが、大変興味深い1枚となった。
なぜならカメラを左に向けてシャッターを切った直後に自転車に乗った若者がフレームに入ってきた。カメラは即右に移動したが最後の方のフレームに同じ自転車の人物(後ろ姿)がフレームインしたからだ…。いわば1枚の写真の中に同一人物が左右に写るという結果となった。
※クリックすると拡大します
実際には時系列が違うわけだがこの写真はあくまで1枚の写真であるからして不思議な心象の写真になった。
これらは動く物体の移動スピードとカメラを振るスピードの相関関係で生まれる効果だが、基本的に撮影側ではコントロールできないからこその偶然の結果でもある。そして対象の移動方向とカメラのスイング方向が一致していないと前記のような効果は出ないことも知っておくべきだ。
しかしこうした理窟を充分に理解した上で意図的な撮影を試みることもある程度可能だと思うしそれこそが「スイングパノラマ撮影」の醍醐味のような気がするのだが…。
今回は左右のパノラマに限ったが、上下のパノラマについても面白い効果を狙ってみたいと考えている。