
iPhoneに限らないが、この種のガジェット最大の弱みはバッテリーだ。製品にとってどれほどバッテリーが連続使用に耐えられるかは重要な問題だし、万一外出時などにバッテリーが切れた場合の対処を考えておかないと十分な活用はできない。そこで新製品の太陽光発電バッテリー充電装置「パワーフィルム USB + AA SOLAR CHARGER」を試してみた。
私にとってiPhoneはすでにライフラインのひとつになっている。どこへでも一緒だし多くの方々と同様だと思うが携帯電話としてだけでなくメール、ブラウザの活用ならびにGPSやカメラそして音楽携帯プレーヤーはもとより様々なアプリケーションを使っている。したがって少し前までのように仕事に出るときにMacBookを持参することもほとんどなくなった。
正直多少の割り切りは必要だが、ほとんどのことはiPhoneで済ますことができるからだ。ただし使えば使うほどバッテリーの持ちが気になる。そしてバッテリーが切れればいかに優秀なガジェットといえども単なる置物でしかなくなってしまう。
そのため、何らかの予備バッテリーを一緒に持ち歩くようにしてきたものの、これまた使用頻度が高いとそれでも間に合わなくなってくる。
というわけで、常にバッテリーをどうするかに関心を持ってきたがジオフォニーが直輸入販売を開始した「パワーフィルム USB + AA SOLAR CHARGER」(以下「パワーフィルム」という)を知り早速オーダーした次第である。
「パワーフィルム」をひと言で説明するなら軽量&コンパクトな太陽光発電によるバッテリーチャージャーであり充電装置である。
本体を広げると快晴時の太陽光で収納した単三型充電池(NiMHまたはNiCd)2本を約5時間でフル充電できる。そして本体側面のUSB端子からUSBケーブルでiPodや携帯電話などへの充電が可能だ。したがってこれなら晴天時に限られるとはいえ、iPodやiPod touchなどへの充電を行いバッテリーチャージを使い切った後でもすぐに「パワーフィルム」を広げておくとか、パックパックなどの背面に取り付けて移動すれば常に「パワーフィルム」への充電が可能な理窟である。

※「パワーフィルム USB + AA SOLAR CHARGER」を広げる
なお、製品の特徴のひとつにSANYO社製のエネループ単三型充電池2本が付属しており、このエネループに充電可能なため前記したモバイル電源としてだけでなく災害、非常時の携帯通信機器、ラジオ、懐中電灯用電源としての活用も期待できるという優れものなのだ。

※「パワーフィルム」のサイズは巻き取れば財布程度だ。右はサイズ比較のために置いたiPhone
「パワーフィルム」は米パワーフィルム社が開発したプラスチック・フィルムの上にアモルファス(非晶質)シリコンの薄膜を重ねて作られた柔軟性のあるソーラーパネルであり、製品は米陸軍で採用され携帯用電源として丸めて携帯したり、テント・ルーフに設置して発電する用途に用いられているという。
要は信頼性が高く確実で安全性にも優れた製品ということだ。
実際に手にしてみた「USB + AA SOLAR CHARGER」は巻き取っていると一見財布のようだが、ベルクロを外して広げると何だが腕に巻く血圧計のようでもある。

※「パワーフィルム」内蔵のUSBポートからiPodなどに直接充電可能
私がこの「パワーフィルム」に興味を持ったのは無論エコライフの一環としてソーラー充電製品であることは勿論だが、その太陽光でSANYO社製のエネループ単三型充電バッテリー2本をフル充電できることにあった。なぜならこの1年あまり、日常で使う単三型乾電池および単四型乾電池のすべてを市販のアルカリ型からエネループに替えたからである。
エネループについてはこの場で詳しいことを記すべき余裕はないが、約1000回繰り返して充電できること、自然放電抑制が可能なこと、メモリー効果を気にせずつぎ足し充電が可能なこと、そして寒いところでもパワーを発揮できることなど電池としての性能が優れている。
またご承知のようにアルカリ単三電池を例にすれば、これらの製品は日常意外に多くの本数を消費するものだしコストが結構かかる。その上、廃棄するには地域にもよるものの一般的には有害性ゴミとして処分しなければならない。
したがって、一番よく使う単三あるいは単四型乾電池をエネループにすることで有害性ゴミの排出を無くすと共に年間を通じればコストもかなり軽減できるというわけだ。その上さらに「パワーフィルム」で太陽光による充電ができるわけで、例え僅かであっても家庭の消費電力軽減も図れることになる。
問題があるとすれば必要なときに充電が済んでいるエネループをいつも確保しておくことがポイントだ。しかしそれはどのような外部バッテリーであっても同様である。
最近ではバッテリーを仕込んだ薄型のiPhoneケースなども登場しているが、それはそれで便利だとしてもバッテリーは所詮切れる可能性を常に秘めている。特に外出が多いユーザーは気になる点だろう。
そうしたポイントから「パワーフィルム」を見ると理想的なアイテムだということがわかる。なぜなら、ひとつはソーラー発電のアイテムはいろいろと存在するものの「パワーフィルム」こそ米陸軍で採用されている実用性の高い本物であること、ふたつにはその充電が固定の内蔵バッテリーではなくエネループに対して行われる仕様ということだ。
もしエネループではなく内蔵バッテリー型であるなら使い切った後はまたフル充電を目指さなければならないが、現行仕様のようにエネループなら予備として充電済みのエネループ電池を所持していればガジェット類への充電必要回数が増えた場合にも対処できるからである。
そしてエネループは単三型電池を使用するほとんどの機器に使うことができる。
例えばリモコン、デジタルカメラ、目覚まし時計、ワイヤレスマウス、GPS、懐中電灯、携帯ラジオ、電動工具、オモチャ類などなどである。
無論エネループは家庭のコンセントから指定の充電器を使って充電が可能だが、そこはエネループのコンセプトである“エコ”を尊重し、「パワーフィルム」による太陽光充電をメインと考えてみたいと思うわけだ…。
繰り返すが「パワーフィルム」なら例え僅かであっても充電のために消費電力を必要としないし、文字通りエコであり、文句なしのクリーンな活用方法ではないか。それに前記したように万一の災害や非常時における携帯通信機器、ラジオ、懐中電灯用の電源として活用できることも忘れてはならないだろう。
さて、この「パワーフィルム」からiPodなどへの充電を行うには内蔵USBコネクタからそれぞれの専用ケーブルならびにコネクタで接続することになる。
話をAppleの製品に絞ってお話しすると「パワーフィルム」正規国内輸入販売ディーラーのジオフォニーによれば現状ではiPhoneを別にしてiPod全機種に関し、過去にリリースされたモデルに関しはFireWire接続モデルを除いた全てのモデルでの動作を確認しているという。
ここで問題となるのはiPhoneに関してだ…。私個人の興味もそこに集約される。そしてこれまたジオフォニーのホームページよれば、iPhoneはUSB定格電力を超える電力を要求するため、「パワーフィルム」による充電は本体に過大な負荷がかかり、異常発熱や回路故障の原因となるという。では私のようにiPhoneへの充電をメインに考えたいユーザーはどうすればよいのか…。
実はジオフォニーのサイトでは「パワーフィルム」で充電したエネループ電池をiPhone充電用に活用する「アイパワー」という製品を紹介しその販売を開始している。これを使えばiPhoneはもとよりiPod類にもエネループから安全な充電が可能というわけだ。

※オプションの「アイパワー」を使えば「パワーフィルム」で充電したエネループ電池でiPhoneへの充電が可能となる
これは私の勝手な想像…希望であるが、パワーフィルム社としても近い将来iPhoneへ直接充電可能なように製品回路の見直しをするに違いない。なにしろiPhoneは世界でもメジャーなガジェットのひとつだからだ。そしてそれはそれで理想だが、実際に「パワーフィルム」と「アイパワー」の分離利用を試みてみるとこれがエコライフを目指すユーザーとして実用性抜群なのである。
「アイパワー」も小型軽量である点は勿論だが、この分離活用を考えることでiPhoneへの充電中も別途「パワーフィルム」装着のエネループへ太陽光充電を続けることができるわけであり、多めのエネループを用意しておけば充電予備電池の必要数確保も可能で安心この上ない。それに「アイパワー」なら万一外出時などでエネループを切らしてしまったり忘れた場合でもコンビニや駅のキオスクなどで売っているアルカリ単三乾電池を使ってもiPhoneなどへ充電可能なのだ。
なお「アイパワー」でiPhoneを充電する際、iPhoneのバッテリー残が20%以下の少ない場合、ほとんどの他社製予備バッテリーと同様フル充電には至らない。約70%程度といったところだろうか…。ただしこれまたジオフォニーからの情報によれば、充電途中でさらにフル充電されたエネループに入れ替え充電を続けることでiPhoneへのフル充電も可能とのことだ。とはいえ予備バッテリーの性格上、常にフル充電を心がける必要もないとは思うが…。
ちなみに「パワーフィルム」への充電は製品を充分に広げ、日差しに向けて設置することが重要だが、難点があるとすれば充電の度に「パワーフィルム」を広げて日差しに向けセットアップする煩雑さかも知れない。しかしジオフォニーのウェブサイトでは「アイパワー」は勿論「パワーフィルム」の使い勝手をさらに高めるいくつかのオプションアイテムも用意されている。
ひとつはガラス窓やバックパックなどに「パワーフィルム」をセットするための「バックパック装着用クリップ&窓ガラス吸盤セット」で吸盤式のフックで窓ガラスに広げた「パワーフィルム」を固定したり、バックパックの背に取り付けるためのものだ。なお単四型電池を多用するユーザー向けには「単4/単3電池変換アダプター(2個入)」も用意されている。

※「パワーフィルム」をより便利に使うためのオプション品たち
私の場合は西日の当たる側の窓にこの「窓ガラス吸盤セット」で「パワーフィルム」を常時下げて使っている。

※常時「パワーフィルム」を窓ガラスに広げ、いつでもエコ充電を心がけている
これらを自身のエコライフ、iPodあるいはiPhoneライフにどのように活かすかは貴方のアイデア次第ということになるが、試してみる価値は十分あると思う。お勧めする所以である。