
Supersanpler(スーパーサンプラー)というトイカメラをご存じだろうか。チープなボディに4つのレンズが付いていてシャッターを押すとイメージを一枚の写真に4分割して撮影するという35mmフィルムを使うカメラだ。iPhone 3G用のフォトアプリの新作「16連写カメラBullCam」はまさしくそのデジタルカメラ版のような製品だ。
「Supersample」はいまでもLOMOカメラのサイトなどで販売されているが私も一時期持ち歩いたことがある。まあ…あくまで遊びのツールとしてだが4コマを2秒(0,5秒/枚)と0.2秒(0.05秒/枚)で撮影する2つのモードがあり、動力は付属のワイヤーを引っ張るという一種のゼンマイ仕掛けである。
したがって適度に動いている被写体を撮影するとなかなか面白い写真が撮れるのだ。無論動いていない被写体…例えば風景とかポートレイトの場合はカメラ自体を動かしながら撮ればよい(笑)。
そんな遊び心を思い出すようなiPhone 3Gのフォトアプリケーションが登場した。
そのひとつが今回ご紹介する「16連写カメラBullCam」である。

※「16連写カメラBullCam」の撮影ならびに設定画面
無論Supersanplerとは違いiPhone 3Gにレンズはひとつしか付いていないわけで、ソフト的に時間軸をずらせて複数枚の撮影を実行し、それを一枚の写真としてレイアウトしてくれるという代物である。
その設定は「N」と「T」という2つのレバーで行うが、「N」は連写枚数を意味し「T」は連写の間隔を指定する機能だ。App Storeの説明によれば連写間隔は0.1秒から0.8秒まで調節可能だ。
またディフォルトはiPhone 3Gの縦長の液晶画面を均等分割した形式だが「Menu」から「Switch Shot Style」をタップするごとに縦横に分割されたスタイルとトグルに変更できる。


※「Menu」にはショットスタイルの変更やTwitterへのアップロード設定などがある(上)。写真下はショットスタイルを縦横に変更した例
この「BullCam」の特徴は撮影時に指定した分割したスタイルで映像を見ることができる点にあり、撮影したものが一枚の写真として保存できることだ。したがって撮る前に撮影後のイメージが分かるので扱いやすい。
撮影はカメラアイコンをタップするが、前記した「T」の設定にしたがってシャッター音がするのもなかなか楽しい。無論シッター音は実際のシャッターが降りるのと完全に同期が取れる場合ばかりではないが、雰囲気が出るので面白い。
まあこの「BullCam」をどのように使うかは自由だが、お勧めは3分割あるいは4分割程度が写真として残すには適当かと思われる。そして「T」の設定と共に被写体の動きによりiPhone 3Gの構え方を縦横と工夫すれば被写体の変化を効果的に捉えることができるだろう。
撮影した写真はiPhoneの写真フォルダーに保存するほか、Twitterのアカウントを設定しておけば、インターネットに投稿し、その画像のURLをTwitterのコメントとして貼ることもできる。
とはいえ「BullCam」はいわゆるトイカメラ・アプリケーションであり理窟や理論はまったく不用。
写真のデキがどうのといったことではなくユーザーの感性にしたがってiPhone 3Gを縦横無尽に振り回しながら様々なものを撮影すること…その行為こそを楽しむべきツールである。
だから前記したように被写体が動くものを狙うだけでなく撮影者がiPhone 3Gを持って移動しながら撮影することもどしどしやってみることをお勧めしたい。
「BullCam」はiPhone 3Gのカメラ機能の楽しさと可能性を増幅するソフトウェアだといえよう。
ただし予想外だったのは撮った写真が常に300×400ピクセルの大きさで保存されることだ。
これはiPhone 3Gカメラの標準である1200×1600ピクセルで保存できるのではないかと考えていた私にとってちょっとがっかりだったが、処理過程のメモリの問題などでこうした仕様になったのかも知れない。したがって撮影した写真をプリントアウトするといった用途ではなく、あくまでiPhone 3Gそのもので楽しむ…あるいは前記したようにTwitterにアップロードして共有するといった使い方を志向しているのだろう。文字通りデジタルなトイカメラなのだ。
とはいえ同じく連写のアプリケーション「QuadCamera」はかなり仕様が違うものの1201×801ピクセルで記録されるので個人的には「BullCam」も何とかなるなら大きいサイズで記録できるモードも付けて欲しいところだ。また撮影後の写真の端に余白が出るなど不都合もあるが、そのうちにバブフィックスされるだろうから気にしないでまずは使ってみることをお勧めしたい(笑)。