辞書好きの一人として分厚い「現代用語の基礎知識」を毎年購入していた時期があった。さすがに最近はご無沙汰していたが、この電子辞典は17年分を一望に検索できると聞いて心が騒いだ(笑)。 

一般的に辞書類は最新のものを手にしていることが重要だとされる。特にITとかコンピュータ関連の辞書では最新のものでないと役に立たない場合もある。しかし反対に最新辞書では掲載されなくなった語句もあって、一昔前のあれこれを調べようとした時には最新辞書では役に立たないというケースもある。 

LogoVistaの「現代用語の基礎知識 1991〜2007/17年分特別パック」は用語事典として知られている「現代用語の基礎知識」の1991年から2007年まで17年分データを収録し一括した検索が可能という魅力的な辞書である。したがって調べたい事項の時代的な変遷や歴史といったことを追ってみるのに有効だと考えた。 

現代用語の基礎知識 
※「LogoVista辞書ブラウザ」による検索例 

さらに “差分抽出機能” が搭載され、検索した語句を年度ごとの差分が抽出でき、各年度での変更箇所が色別で確認できるのもその時代を知るひとつの手がかりになるに違いない。 

差分抽出機能 
※差分抽出機能使用例。各年度版比較で相違部分を色分けしてくれる 

私はダウンロード版を購入したが、インストールした「LogoVista辞書ブラウザ」を起動したその画面は、電子辞書ユーザーにとってはマニュアルなどを確認しなくても一通りのオペレーションができる標準的なインターフェースである。そして前記した差分抽出機能はともかく、「辞書一覧」アイコンをクリックすることでサイドバーに各年度の辞書がずらりと並び、目的の辞書を指定できる。その他検索の遍歴や検索結果ページにメモを残せるなどの機能が備わっている。 

また「辞書VLナビ」ボタンという、いわゆるヘルプ機能もあるから一般的な使用についてとまどうことはないと思うが、付属のPDFによる「インストールガイド」はその名のとおり、インストールについては必要十分なことが記してあるものの「LogoVista辞書ブラウザ」の使い方に関しては「LogoVista辞書ブラウザ各部の名称と機能」といった至極簡単な解説しかなく、詳しいことは「辞典LVナビ」を使えといった感じで素っ気ない(笑)。 
この種の電子辞書を初めて購入したユーザーにはもう少し詳細な情報が必要ではないかと思われる。 

さてその「現代用語の基礎知識」の内容だが、辞書・辞典好きが申し上げるのも変だけれど…そのすべてをそのまま信頼してはならないと申し上げておきたい。辞書・辞典というものも人が作り上げるものであるかぎり、間違いや偏見あるいは最新情報であるべきなのに旧聞をそのまま採用しているといった無知や手抜きが見え見えの場合もあるものだ。 
その一例を挙げてみよう…。 
この「現代用語の基礎知識 1991〜2007/17年分特別パック」で”マッキントッシュ”という語を検索し、2004年版と2007年最新版を比較してみたが思わず笑ってしまった。 

LogoVistaG_03 
※差分抽出機能使用例。各年度版比較で相違部分を色分けしてくれる 

2004年版には「(略)…熱心なファンをもつがシェアは続落しており、国内外とも数%といわれる。」とある。2004年といえば、Appleの業績も完全に持ち直してiPodのハロー効果が出てきた時期でもあり「続落」という言葉は相応しくない。まあ辞書というものは作り上げるのに時間がかかるものだから、100歩譲ってたまたま情報が古かったのだろうと譲歩しても、2007年最新版の「(略)…熱心なファンをもつがシェアは低迷し…」という記述はいただけない(笑)。これでは何のための最新版、改編版なのか…ほとんどその意味がないではないか! 
まあ、辞典といったものはそうしたものだということも念頭に置いて活用しなければならないわけだ。 
重箱の隅をつつくようなことになったが、この「現代用語の基礎知識 1991〜2007/17年分特別パック」は文字通り17年間の集約的辞典として捉えるなら、私にとっては大変コストパフォーマンスの高い辞典であるといえる。 

■現代用語の基礎知識 1991〜2007/17年分特別パック