バージョンアップを申し込んでいた「ATOK 2007 for Mac/プレミアム」が届いた。さて、私にとっては手に馴染むと共に古い付き合いのATOKだが、今回どのような進化をしたのだろうか。 

正直、これまで使ってきた「ATOK 2006」で何か問題があるのか…といえば、それはまったくない(笑)。「ATOK 2006」にはすでに「広辞苑第5版」「百科事典マイペディア」そして「角川類語新辞典」を組み込み、日々空気のような感じで快適に使っている。したがってそろそろ”毎年バージョンアップ”といった慣習から脱却しても良い頃だとは思うが、新製品には当然のことながら何らかの新しい魅力もあるわけだし、何よりも新しいモノを追いかける”性”はどうにも直らない(笑)。 
とはいえ、「ATOK 2007」はインテルプロセッサ対応になり、後述するようにATOKハイブリッドコアという最新の変換エンジンを搭載…といった、確かに大きな進化をしていることは間違いない。 

さて今回私は「ATOK 2007 for Mac/プレミアム」というパッケージを選んだ。その目玉は国語辞典として「明鏡国語辞典」、英和/和英辞典として「ジーニアス英和/和英 R.2」、東洋経済新報社「会社四季報」の企業名変換辞典、そしてアスキー「マッキントッシュ用語辞典」と「デジタル用語辞典」をベースに2007年5月までの新語を増補したデータ類をサポートしていることだ。 

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※ATOK 2007 for Mac Premiumパッケージ 

これらの新しい電子辞典類に期待することは「会社四季報」なら上場企業名を入力すると、名称・所在地・証券コード・URLといった情報を表示してくれることだ。また「アスキーマック用語辞典2007」では新語の増補だけでなく、歴代マシンの主要スペックが網羅されていることも特筆すべきだろう。こうした機能は常にそうしたデータを追いかけている一人としては大変ありがたいし、原稿書きなどに著しく効率を期待できると思う。 

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※「会社四季報」の企業名変換辞典使用例(上)と「アスキーマック用語辞典2007」による歴代マシンの主要スペック表示例(下) 

勿論「ATOK 2007」そのコアにも新しい機能が多々サポートされている。目に付く機能としては「乗換案内駅名変換辞書」が搭載されたことだろうか。これは、うろ覚えの駅名を最初の数文字から正確な駅名を入力できるだけでなく、その所在地情報やネットにアクセスして地図も確認できる。 

こうして新しい機能を列記してみると、それらは専門分野に特化した外部の辞書類をATOK用に取り込んだものばかりに見えるが、ATOKそのものも進化している。ただしこればかりは「最先端の自然言語処理研究チーム “ATOK Lab.” の研究成果を反映した最新の変換エンジン “ATOKハイブリッドコア” 搭載」と言われても実際に場数を踏まないとその有り難みはなかなか味わえない…。 
取り急ぎ新製品アナウンスに沿っていくつかご紹介すると、ビジネスシーンで利用される用語や時事用語の拡充と共に変換精度をさらに向上したという。 
また、前後の文節に応じて変換候補の並び順を動的に制御するとい人名の変換などに便利な機能も新たに搭載された。 
さらに校正支援の強化、電子辞書検索の操作性向上、カレンダーが表示し”一昨年”といったキーワードから日付が入力できたりする日付入力支援機能、第3・第4水準漢字も手書き文字の認識が可能になった手書き文字認識の強化といった点などが挙げられる。 
また個別の機能ではないが、今年の10月にそのリリースを控えているMac OS X Leopardの対応モジュールの無償ダウンロード提供(予定)を明言していることも特筆できるだろう。 

それぞれの個別の機能に関して、レポートするべきことがあれば別途お知らせしたいが、従来からの機能「推測候補モード」などと共にATOK 2007のパワーアップ辞書は一層使いやすく手に馴染むことは十分に感じることができる。そして実際に日々大量のテキストを入力している私自身にとってATOKはなくてはならないツールであることは間違いない。 
ただしひとつ注文を付けるとすれば、複数のオプション電子辞典類を組み込んでいることでもあり、それらの切替にとまどいを覚えることがある。辞書はショートカット利用や統合もできるようだが電子辞典類が増えるとその切替が面倒になってくる。 
特に電子辞典類の利用は目的の辞典を選んだ上で活用することもあるだろうが、理想は辞典の種類やその切替を意識させないことではないだろうか。 
例えば手元にあるシャープの電子辞書は広辞苑、ジーニアス英和/和英、マイペディア百科事典、日経パソコン用語辞典、最新インターネット事典などなど多くの事典類が搭載されているが、個別の事典による検索の他に、すべての辞書・事典を使う一括検索機能を持っている。 
したがってATOKもユーザーがインストールしたすべての辞書を横断・縦断検索でき、一括検索利用できるモードが欲しいと思う。それとも現在でも別途有効な方法があるのだろうか…。 

またつくづく感じることはこれだけ完成度が向上した日本語ワードプロセッサはこのままだと製品の基本的イノベーションは先が見えてきた感もある。日本語変換プログラムという、ある意味で大変重要かつ裏方で仕事をこなす技術の行く末は、ただ単に変換効率向上を求めるだけではビジネスとして成り立たなくなってくるのではないかといった恐れを感じるのだ。 
すでに「ことえり」で十分だというユーザーも多くなった。そうした中でATOKなどの日本語変換テクノロジはパソコンの操作性やGUIの再定義と共に次の時代へ向けて新しいステップを踏み出す必要がありそうだ。 

■株式会社ジャストシステム