自然景観制作のデファクトスタンダードとして国内外の映画や広告などにも広く活用されているというソフトウェア「Vue」の最新版「Vue 8 Infinite」のアップグレード版が届いた。実は遅れはせながらシステムをSnow Leopardにしたひとつの理由はこの最新の「Vue」を効率よく使いたかったことにもあるのだ…。

 

私と「Vue」との付き合いも随分と長いものとなった。何しろ最初は米国のMacworld Expoにあったe-on Softwareブースで巡り会いそこで展示していた「Vue d’Esprit 4」を知ってからなのだから…。
早速そのe-on Softwareブースで販売していた「Vue d’Esprit 4」を購入しようと女性担当者に申し出たところ「日本人か?」と聞かれ素直に「そうだ」と答えたら日本には総代理店が決まったのでここで直販はできないと冷たくあしらわれがっかりした記憶がある(笑)。
それは確か2002年のことだったが当時の日本の代理店はイメージワン社だった…。
日本に戻り早速代理店に連絡を入れ、製品を入手するもアプリケーションの不具合と共にインストーラにもトラブルがあり随分と苦労したことを思い出す。そしてそれらの問題を修正したCD-ROMと待望の日本語マニュアルが届いたのはMacworld Expoから4ヶ月後の5月に入ってのことだった。

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※2002年、サンフランシスコのMacworld Expoで出会った「Vue d’Esprit 4」の日本語マニュアル


出だしからトラブルに見舞われたものの何よりもその直感的で使いやすいインターフェースとそこで作り出せる自然界が写真と見紛うばかりのリアルで魅力的な世界に魅入られてしまう…。

私はこの「Vue」で映画を作るわけでも3Dコンテンツを生み出すわけでもないが、ビジュアルな企画や提案をする際には大変重宝しているのである。したがって惚れた弱みではないがその後も欠かさずアップデートを続け今回の「Vue 8 Infinite」となった。

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※「Vue 8 Infinite」のパッケージ


とはいえいまでは「Vue」にも様々なバージョンがあり、核の機能を持つアプリケーション「Vue 8 Pioneer」自体は無償でダウンロードできるよい時代になったが本気で活用しようとすれば当然それだけで済むわけではない。
私自身も最初期には前記した「Vue Esprit」と名付けられた下位バージョンも手にしたが妥協せずに思い通りの表現を優先とすることを意図してその後はスタンドアローンソリューションとして期待できる「Vue Infinite」バージョンを使い続けてきた。
今回「Vue 8 Infinite」へのアップグレードもその一環である。

さてその「Vue 8 Infinite」だが新機能として概要を示すと以下が告知されている。

・地形エディタの編集操作に関して大幅な自由度向上
・スペクトラル大気テクノロジーの表現力向上
・雲、グローバルEcoSystemインスタンスのカラーマスク/アルファマスクの出力
・ディスプレイスメント質感の制御強化

その他繰り返しの自動化するマクロ機能が搭載されたり、OpenGLプレビューエンジンの採用、Adobe After Effectsへのアニメーション書き出しなどなどワークフローの統合と作業の効率化を図るための配慮が向上しているという。

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このリアルな空気感がたまらない。【クリックで拡大】


ということでここでは大幅な機能アップされたという「地形エディタ」に関して一番の特徴を見ていただこう。
機能アップはいろいろとあるが一番の目玉はセットアップした地形をペイントするように掘ったり盛り上げたりできることはこれまでと同じだが、シーンコンテクストスカルプティング機能という…あらかじめオブジェクトを加えたままでもその作業ができるようになったことだ。
例えば地形に建物を置いたまま、このエディットモードに入り建物の周りに堀を作るといったことが実現できる。

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※「Vue 8 Infinite」新機能のひとつ、シーンコンテクストスカルプティング機能により地形エディタ上にオブジェクトを設置したまま地形を編集可能になった


その他、標準地形や直接生成地形に直接オーバーハングや洞窟などの整形が可能になったこと、これまで以上に表情豊かな層状地形を作成以上にできること、そして大幅なパフォーマンス向上によりディテールに富み生き生きとした表面を作成できることなどを可能にしている。
ただし当然のことだがこれらの機能をスムーズに行うにはマシンパワーも半端ではなくMac Proの8コアマシンでも重く感じるときがあるが…。

ともかく機能強化された部分をこれからひとつひとつ楽しみながら確かめようと考えているが、私は「Vue 7 Infinite」から「Vue 7.5 Infinite」へのアップはせずに直接今回の「Vue 8 Infinite」へと移行したので新たに経験することもいろいろとありそうで楽しみである。
ただし「Vue 6 Infinite 日本語版」まではきちんと製本されたリファレンスマニュアルが付属していたがその後はデジタルマニュアルだけになったのでいささか調べながらの操作は面倒になった。なぜなら「Vue」はモニタ一杯に作業ウィンドウを広げてオペレーションしたいわけだが、そうなると同じモニタ上にオンラインマニュアルを表示させながらというのは無理がある…。
ソフトウェアのマニュアルのデジタル化は今更ではなくすでに主流となっているが、個人的にはこのクラスのアプリケーションになれば是非別売でも良いからきちんとしたものを用意して欲しいと思う。
なお、ご紹介したい内容があれば別途ご報告したい。

Vue 8 Infinite
■株式会社イーフロンティア