
この1月末に自動作曲アプリケーション「BAND-IN-A-BOX 17J」マック版が届いた。相変わらずwindows版とは随分とバージョンが離れているがこれまでマック版は「12J」だったのだから進歩は進歩である。そして「BAND-IN-A-BOX 17J」には「リアルトラック」や「リアルドラム」といった新機能の他既存のオーディオファイルからコード進行を自動分析して書き出す「オーディオコードウィザード」機能などが搭載されている。
思えば友人からPG Music社「BAND-IN-A-BOX」というアプリケーションを教えてもらい、早速手にしてから何年経つのだろうか…。
このソフトは映像のBGMとして何らかの音楽を必要とするとき、大変役に立ってきた。なぜならそこから生まれる音楽は著作権うんぬんがクリアされているからであり安心してデモ映像のBGMなどとして活用できるからだ。
「BAND-IN-A-BOX」は “自動作曲ソフト” と称され、基本的にはたった3ステップでクラシック、ジャズ、ロックなどなどという音楽スタイルとピアノ、ギター、ストリングス、パーカッションなどを含む伴奏とメロディを形成してくれるアプリケーションである。
ただし確かに3ステップで曲はできるが、それが音楽と呼べるものとするためには利用者の知識やセンスを必要とすることもまた事実であり、まぐれはともかく実際にそれらしい曲を作るにはコード進行や音楽理論といったものをある程度知っておいた方がよいのは申し上げるまでもない。
今回私は伴奏スタイルやリアルトラックセットなどが多く収録されているMegaPAKパッケージを手に入れたがこの「BAND-IN-A-BOX 17J」には特筆すべき新機能が多々ある。
※「BAND-IN-A-BOX 17J」MegaPAKパッケージ
マニュアルによるとそのひとつに「GUIを一新」とあるものの、基本的には一新というほど新しくはなっていない(笑)。そして昔昔…そのインターフェースを初めて見た時には些か驚いたものだ。
Mac OSの当時,Macintoshの特徴としてアプリケーション間の操作性統一が謳われていた。無論例えばテキストを主とするアプリと音楽を対象とするアプリのインターフェースがほとんど同じであるはずもないが正直「BAND-IN-A-BOX」の雑然とした起動画面には驚いたものだ。
そして前記したように「BAND-IN-A-BOX」に出会ってから長い年月が過ぎたが、その基本的インターフェースには変化がない…。ただ「BAND-IN-A-BOX 17J」では新機能はともかくアイコンによるオペレーションが増えただけのように思えるので「GUIを一新」は信じてはいけない(笑)。
※これまでのマック版「BAND-IN-A-BOX 12J」(上)のインターフェースと「BAND-IN-A-BOX 17J」(下)の比較
その「BAND-IN-A-BOX 17J」の魅力をお伝えしたいと考えたが、これはなかなか一筋縄ではいかない。したがって今回はまず「リアルトラック」や「リアルドラム」といった新機能と共に個人的に注目していた「オーディオコードウィザード」機能をまずはご紹介してみたい。
「BAND-IN-A-BOX」で曲を作る場合、収録されているサンプルを使うにしろゼロから作るにしろまず必要なのはコード入力である。
前記した “基本的にはたった3ステップ” というのもまずは「コードの入力」「音楽スタイルの選択」そして「再生・確認」という手順を意味するわけだ。したがって明るくうきうきした曲なのかブルーな感じを出したいのかはコードの書き方がポイントとなる。
そういえば今回「BAND-IN-A-BOX 17J」リリース時にオプションで「コード進行ネタ帳」(リットーミュージック刊)も用意されていることでもわかるとおり「BAND-IN-A-BOX」の基本はまず小節単位にコード名を指定するところから始まるわけだ。
※オプションで同梱される「コード進行ネタ帳」(リットーミュージック刊)表紙
このコード名入力は特に面倒なわけではないしサンプル曲を読み込んでそのコード進行を元に新しい曲を作るということも可能だが「あの歌手のあの曲ようなのが作りたい」といったとき、既存のMP3やAIFFファイルを読み込み、テンポ、キーだけでなくコード進行までをも自動的に解析し検出してくれるのが「オーディオコードウィザード」機能なのである。
であるなら、例えば「エリック・クラプトンのあの曲のコード進行を元にして新しい曲を作る…」といったことが可能なことになる。
ということで早速自身のiTunesに収録してある曲のを「オーディオコードウィザード」機能で読み込んで試してみた。
※取り急ぎiTunesにインストールしてあるエリック・クラプトンの “レイラ” を読み込んでみる
その手順だが「BAND-IN-A-BOX 17J」のユーザーマニュアルによればツールバーの「オーディオコードウィザード」アイコンをクリックし、読み込むオーディオファイルを選択する。これで処理中のメッセージダイアログが示された後に「オーディオコードウィザード」のウィンドウがオープンするとある…。
ちなみにこの「オーディオコードウィザード」のウィンドウ上で解析されたコードはそれを再生の上で最初の小節の第1拍目を指定するとコード分析が正しく行われ、「コードをBIABに送信」ボタンをクリックすることでコード進行が「BAND-IN-A-BOX 17J」のコードシート上に書き出される…はずなのだ。
※オーディオファイルを読み込むと「Audio Chord Wizard」上に解説されたコードが表示される
無論その通りにやってみたが、原因が分からないが読み込みが上手く行くときといかないときがある。ただし上手く行かなかったときでも白紙オープンした「Audio Chord Wizard」の「ファイル」から「オーディオファイルを開く」で目的のファイルを指定すると問題無く開くことができる。
※「Audio Chord Wizard」の「ファイル」から「オーディオファイルを開く」と上手く行く…
ともかく「Audio Chord Wizard」ではオーディオファイルを再生できるのでそれを聞きながら1小節目としたい部位に来たら「第1小節に設定」ボタンをクリックする。
これでコードは書き直され解析は終了だ。後は「BIABにコードを送信」ボタンをクリックすれば当該コードが「BAND-IN-A-BOX」上に書き出されるわけだ。
※「BAND-IN-A-BOX 17J」上に確定されたコードが表示される
無論これだけで曲ができたわけではない。
続いて音楽のスタイルを決め、楽器編成などの選択はもとより音楽としての形式を整える必要がある。
ともかく「BAND-IN-A-BOX」にとって最初にやらなければならないコード進行を既存の音楽から取ってこれるのは簡便には違いない。
まあ、先に「BAND-IN-A-BOX」の曲作りはコード入力から…と記したが「BAND-IN-A-BOX」にはもっと簡便な「メロディスト」機能もある。これならアイコンをクリックする毎にコード、メロディ、イントロ、ソロそして曲名まで一曲丸ごと自動的に作ってくれる(笑)。ただしこの機能は基本となるキーは設定できるがランダム作成であり、たまに思いもしない素敵な曲ができるものの自分がイメージする曲作りには直接使えない。やはりここは王道というか、コード入力から始めてみなければならないだろう。
そうした意味でも「オーディオコードウィザード」機能は見るべき機能だと思う。