
マイクロフォンという代物は考えれば考えるほど使い方が結構難しいものだ。そのマイクロフォンを本格的に活用しようとすればするほど我々の聴覚というのがいかに優れているかが分かってくる。そういえば「カクテルパーティー効果」というのをご存じだろうか。
Blue Microphones社のUSB マイクロホン「Yeti」を机上のMac ProとLisa 2/10の間付近に待機させているが、「Yeti」の何ともいえないレトロなデザインはMac ProよりLisa側に置いた方が似合うように思える(笑)。
※このデザインを見ると喋りだしたくなるのは私だけか(笑)
さて「Yeti」の優れていることはマイクロフォンとして史上初のTHX認定製品だということで理解していただけるものと思うが、まず押さえておくべき事はステレオならびにカーディオイド(cardioid)、オムニ(omnidirectional)、双方向(bidirectional)といった4つの指向性パターンを選択可能なことだ…。
ところで皆さんは「カクテルパーティー効果」というのをご存じだろうか。
私たちの聴覚は大きな音、それも多様な音が行き交う中でも特定の人との会話を楽しむことができる高い能力を持っている。
具体的にいうなら私たちの聴覚は大きな音が止まない文字通りパーティーの会場内にいても、自分の意識を向けた音に集中し聞き取ることができるがこれを「カクテルパーティー効果」と呼んでいるわけだ…。
しかしマイクロフォンによる集音はそういうわけにはいかない。
例えば一般的な無指向性マイクロフォンだと単純に音が届くものをすべてそのまま取り込んでしまうわけで、だからこそ録音したデータを聴くとき「ああ、こんな音も入っていたんだ」などとあらためて気づくことがある…。
とはいえ単純にマイクロフォンの周りにある音をすべて集音してしまうのではまずい場合も多々あるわけでこうしたとき、マイクセッティングを考慮するのはもとよりだが目的に合った指向性のマイクロフォンが必要となってくる。
「Yeti」は4つの指向性パターンをダイアルひとつで切り替えることが出来きるよう設計されており、それらは前記したように「Stereo」および「Cardioid」「Omnidirectiona」そして「Bidirectional」の4種である。
※背面にある「PATTERN」ダイアルで4種の指向性パターンが切り替えられる
「Stereo」すなわちステレオは一般的にボーカル、合奏・合唱、楽器演奏などなどのような録音に適しているように思われるが音を正確に拾うということを考えるとそれほど単純ではないことに気づく。
例えばボーカルや楽器演奏だとしてもソロばかりではない。乱暴にいうなら複数のボーカリストやプレーヤーのそれぞれの演奏を正確に拾い、ミキシングしようとすればマイクロフォンはひとつで済まないのは当然として、ギターの前にセッティングしたマイクが隣のパーカッションの音を拾いすぎては困るわけだ。
こうした場合、繰り返すがマイクの位置に心を配るのは勿論だが特定方向の音のみ拾う単一指向性 (Cardioid) のマイクロフォンが適していることになる。またポッドキャストの録音にもこうした単一指向性マイクロフォンを使えばスピーチする側以外の周囲の雑音を拾いにくいことになる。
反対に野外や周囲の雰囲気をマルチに集音したい場合には360度すべての方向に対して同等の感度を持つ無指向性マイクロフォンが使われる。そして正面に相対した相手にインタビューをする場合とかボーカルのデュエットなどでは、2人の真ん中に双指向性マイクロフォンを置くのが好ましいかも知れない。
無論音を最終的にどのように加工演出するのか…といったコンセプトに向け様々なマイクロフォンを巧みに使うのがプロフェッショナルたちなのだろう。
ただし個人でそうした理想的な音録りができるはずもなく、だからこそ「Yeti」のような1台で何役にも活用できる高性能なマイクロフォンがひとつあると便利なのだ。
「Yeti」ならデスクトップ上で前記した4つのパターンを背面のノブで切り替えるだけだ。したがって映像にナレーションを入れたり、ポッドキャストに使ったり、楽器演奏の録音に活用したりと多くのシーンで役に立つわけだ。
※マニュアルに記載されてている4つの指向性パターンと適合する使い方例
「Yeti」のマイク角度はスタンドで調節可能だし重量はスタンド込みで2Kgほどあり、スタンドの台の裏面には滑り止め処理もされているため平らな場所に置ければしっかりと安定して使える。
ちなみに簡単なスペックを記しておくと、サンプルレートは48kHz、ビットレートは16bit、周波数特性は20Hz~20kHzといった優れたスペックを持っているが、それらはBlue Microphonesが誇る3つの14mm コンデンサー・カプセルの組み合わせで実現されている。
※「Yeti」は図体はデカイが性能は勿論、使い勝手もよい
最近のマイクロフォンは皆小型化に向いているとき、この「Yeti」はいかにも無骨で馬鹿でかくレトロな感じだが、実際に机上に置いて使ってみるとその使い勝手の良さと素晴らしさが堪能できるに違いない。
次回は実際にGarage Bandを使って録音を試みたレポートをお届けする予定である。