
DAZ Productionで販売しているベンダー “Stonemason”リリース一連の3Dコンテンツはクオリティの高さで類似のものと一線を期すものとなっている。そのビル群の一郭を見ているとアニメーションにしたくなったのでテストをかねて試作を試みた。
DAZ Productionで販売している「Urban Sprawl 2 The Big City」はそれまでのStonemason作品の中でも大作でありクオリティも高くそれらのビル群の中にカメラ(視点)を置いてみると例えばサンフランシスコの裏通りを歩いているような気になってくるほどリアリティがある。
Stonemason作品については過去にも紹介したことがあったが、この「Urban Sprawl 2 The Big City」はその名の通り単なる街の一郭をモデリングしただけでなく、かなり広範囲のビル群を包括した作品になっている。
Stonemasonのコンテンツはこれまでうらぶれた裏町的なものが多かったが、この「Urban Sprawl 2 The Big City」はメインストリートと一歩裏道に入った印象は違うものの立派な近代的ビル群を構成している。
※アニメーション試作中にその一部をレンダリングした例【クリックで拡大】
私がこの「Urban Sprawl 2 The Big City」を気に入ったのは日本の風景ではないものの、例えば近代的な都市にいかにもありそうなリアルな街並みが素晴らしいことは勿論、道路標識とか外灯、信号、フェンス、ダストボックスやらといった現実の街並みに置かれているさまざまなアイテムをもリアルに配置されていることだ。また一部の道路にはゴミらしきものまで落ちている。
したがって一工夫すれば3Dは当然、静止画(写真)としてもさまざまに活用できる…。なおここに登場する車2台はもともとコンテンツ上に配置されているそのままを使った。
この「Urban Sprawl 2 The Big City」は3DキャラクタデザインツールのPoser用として用意されたものだが私はひとつのシーン…景観を構成するにはこれまた3DアプリケーションであるVueの方に軍配をあげているひとりなので、まずはPoser経由でVue 7で読み込めるように “vob” ファイルに変換してから活用している。
ただし「Urban Sprawl 2 The Big City」はこのクラスの3Dオブジェクトとしては巨大なので全部のシーンを1度に読み込んで使うには適していない。したがって東西南北4つに分割されたオブジェクトをそれぞれ “vob” ファイルに変換し、必要ならVue 7上で合成するようにしている。
※「Urban Sprawl 2 The Big City」コンテンツには多様で魅力的な街並みが含まれている【クリックで拡大】
しばらくこの「Urban Sprawl 2 The Big City」の街並みの中に視点を置き、あれやこれやとレンダリングしてみたが、どこにでもあるようなその街並みを歩いてみたい衝動に駆られてくる…。
そういえばVue 7で試してみたいこともあったし良い機会だと「Urban Sprawl 2 The Big City」の一郭を背景にして30秒ほどの短いアニメーションを試作してみることにした。
シーンは単純で、道路沿いを自転車でもバイクを想定しても良いがカメラを向こう側に向けて平行移動するだけだが、その間に樹木と数人の人物を配置してみる…。
元々のレンダリングサイズは720×540ピクセル、圧縮はApple Intermediate Codec、フレームレートは24/秒で30秒のアニメーションとする。
大気をあれこれと変更し、人物などの配置を考えたりして十数回の試行錯誤の末の最終レンダリング時間はMac Pro (Early 2008) 8コアで約3時間30分程度となった。
一応これで樹木は風でそよぎ、人物の多くは歩いたりボディアクションをするモーション設定をしてみた。
※「Urban Sprawl 2 The Big City」の一郭を使ったアニメーション試作
これはタイトルのように試作だが、こうしたシーンの中にもっともっと様々に行き交うオブジェクトを置き、生き生きとしたシーンを作ってみたい。
そんなことを考えながらレンダリングを実行しているモニターを眺めていたら、その昔…1989年も師走に入ったころ、当時のMACLIFE編集部に依頼されて預かったMacintosh最初の「Shade」β版によるレンダリングを思い出した…。
記事を書くにはモデリングからレンダリングといった一通りの機能を把握しなければならないと当時のMacintosh IIで使い始めたが、640×480ピクセル大で被写界深度設定したレイトーシングによるレンダリングに40時間もかかったことを…。その上に頻繁に落ち、結局そのときの正月を丸々潰してしまったことを思い出す。
すでにそれから20年も過ぎた今年もまた暮れ、新しい年を迎えようとしている。
マシンとソフトウェアは間違いなく進歩したが、私自身といえば20年前の暮れと同じようなアプローチをしている自分に気づき些か不思議な思いをしている。