
世界初マルチタッチ対応を謳ったApple「Magic Mouse」を使い始めて早くも一週間ほど経った。どのようなものでも1日2日では本当の意味での真髄は分からないと思うが、数日使い続けたこの「Magic Mouse」の使い心地をご紹介する。
このアップルの新型マウス「Magic Mouse」一番の特徴はやはりデザインだろう。ただし予備知識の全くない女房が一目見て「靴べらみたい!」と言うのには笑わされたが…(笑)。
余談ながら私は「Magic Mouse」のカーブを初めて見た時、大昔に使った吸取器(ブロッター)を連想した。まあすでに吸取器といっても知らない人たちの方が多いと思うが…。
さてそのデザインで一目を引く「Magic Mouse」だが、そのデザインは果たして本当の意味で使い易さと良さを引き出すための必然性があるのだろうか。数日間、このマウスだけを使って自分なりの感触を確かめてきたが、さて…。
※「Magic Mouse」の美しいデザインは使い勝手に直結しているように思える
まずレーザーエンジンを使っているそのトラッキングだが非常に快適である。思ったポイントに間違いなくそして迅速にポインタを移動させ、クリックすることができる。そしてアップルサイトで謳われているとおり様々な材質の表面でも快適に使えることは確かだ。
ただし私個人としては通常パワーサポート社製のエアーパッドプロという最良というべきマウスパッドの上で使っている。そうした環境下での感想だがトラッキングは良いものの、Mighty Mouseなどと比べるとマウスの滑りに些かザラザラ感がある。これはマウス背面の接触面に使われている雑質とその形状に関わってくることだと思うが、ザラザラ感は多少だとしても移動する際にノイズを発するわけで慣れるまでは些か気になった。
またクリック感も意外としっかりしているので例えばジェスチャーする際に誤ってクリックしてしまう…といったことはない。そしてクリックはセンサーだと思っている方もいるようだが、ちゃあんとメカニカルなクリックの沈みもありその感触はよい。ただしアップルのサイトに「マルチタッチ表面のどこでもクリックやダブルクリックすることができます」とあるのは揚げ足取りになるものの…ウソだ(笑)。
クリックが可能なのはマウスの前後の約半2/3程度のエリアであり、例えばアップルロゴがある付近をいくら押してもクリックにはならない。ただしこの付近に手首近くを置いてマウスを固定するには好都合なのだが…。
形状はファーストインプレッションでも記したがエッジがあって私にとっては掌に包むとき心地よい。そしてその薄さも「Magic Mouse」の特徴のひとつに違いない。
また重量も電池2本を入れたMighty Mouseが約133gなのに対し「Magic Mouse」は106gと軽いのも操作性を向上させているように思える。その軽さおよび前記した薄さと底面にいくほど細くなっているその形状は左右から保持しやすくなっている。
※バッテリーはアルカリ単三電池2本を使う。また電源スイッチがついている
マウスクリックを左右ツーボタンにするかワンボタンマウスにするかは「システム環境設定…」の「マウス」で設定できる。
1本指の操作にある「副ボタンのクリック」にチェックを入れて「右」指定すれば左右ツーボタンマウスとして使える。ただしMighty Mouseのようにファンクションは多くなくあくまで左右2つまでのようだ。
※勿論2ボタンマウスにも設定可能だ
この辺は好みの問題にもなってくるだろうがマウスに多くの機能を含ませるのは嫌いな私としては大変に具合が良い。
個人的にはマウスに多くのファンクションをボタンという形で実装することは無理があるように思える。ひとつには操作系が複雑になるという問題、そして手指に負荷がかかることだ。
言葉の綾ではないがマウスにボタンが増えることはマウスがポインティングデバイス以上のものになることを意味する。その点「Magic Mouse」はあくまで2ボタンマウスでありつつマルチタッチインターフェースを使い、360度スクロール、ズーム、スワイプといったファンクションをスマートに実装したといえよう。
そのジェスチャーも危惧していたような誤動作もなく快適である。ただしズームはともかく2本指によるスワイプ時には一般的にマウスをホールドしたままでは無理であり、マウスに対する手のポジションを改める必要があると同時にスワイプ時にマウスを動かしてしまわないようにと多少の慣れが必要と思うが総じて快適である。
特に360度スクロールやズームに関してだが、これまでのMight Mouseなどのスクロールボールと比較して操作エリアが広がり指への負荷はかなり軽減できるという感触を得ている。
今後バッテリーの持ちなども検証してみたいがこの「Magic Mouse」は私にとって幸いなことに近年の歴代マウスの中で一番使いやすくそして手指に負担が少ないマウスだと思えてきた。しかし文句の付け所もないのも癪なのでひと言申し添えれば「Magic Mouse」という命名はいただけない(笑)。
この “Magic”という言葉はこれまでもプロダクト名によく使われてきたが、Appleに関連のソフトウェア名としては「Magic Slate」「Magic」「ColorMagician」「FotoMagico」「FaceMagic」などが思い出されるしその他にもビル・アトキンソンらがアップルを退社後設立したGeneral Magic社が印象的だ。
どうも歴代のあれこれを見知っている1人としてはこの “Magic” うんぬんといった命名は些か古くさい印象を受けてしまうのであり、今更といった感じは否めない。
最新の…それも世界初のマルチタッチを謳うマウスにはもっと斬新でまったく新しい名称を与えて欲しかったという気がするが、皆さんはの感想はいかがだろうか…。