
Mac OS X版開発を謳いながらも一向にその気配を見せなかったフォントスタイルデザインツール「TypeStyler」が10月15日に、”The ultimate styling tool now even better.” と銘打って7年ぶりにリリースされていた。勿論Snow Leopard対応であり待たされただけにその多機能には目を見張るものがある。
「TypeStyler」の歴史は1980年台後半に遡る歴史あるものなのだ…。
このアプリケーションはタイプフェイスに様々なデザイン処理を施しカスタマイズできるツールとしてMac OS時代に随分と活用させてもらったが、Mac OS Xに対応すると明言していたものの2,3年経っても案内がなく痺れを切らしてメーカーに問い合わせをしたことがあった。
※Mac OS時代に大いに活躍してくれた「TypeStyler 3」
その答えは「納得のいく製品を開発中だからしばらく待ってくれ」というだけのもので、結局その後はまったく音沙汰が無く丸7年ほど待たされたことになる(笑)。
現在は同類のツール「Art Text 2」などもリリースされたこともあり個人的には諦めていたが、過日久しぶりにメーカーサイトを確認したところ10月15日からダウンロード可能になっていたので早速試してみることに…。
そのリリース案内には「Strider Softwareは7年という長い年月をかけたがTypeStylerのMac OS X版を誇りを持ってリリースする」といった主旨が載っていた。
※「TypeStyler X」のアプリケーションアイコン
Mac OS X版「TypeStyler」(以後TypeStyler Xと称す)のバージョンはいきなり10.6.35 となっているが、これはSnow Leopardに合わせたものなのだろう。
さて、旧来の「TypeStyler」を知る者にとって「TypeStyler X」のインターフェースはあちらこちらに以前の面影を見ることができる点は嬉しい..。しかしアップルの最新技術であるCore Image、OpenGL、QuickTimeならびにQuartz compositionsなどをサポートすることによって機能や能力は目を見張るほど多機能・強力になり、当然のことながらそのための操作ウインドウ類も多くなったため簡単に全体を見渡せるレベルの製品ではなくなっている。
ともかく個人的には文字通り待望していた製品であるからして、今回は取り急ぎ「TypeStyler X」の存在とその概要だけでもご紹介したい…。
「TypeStyler X」を起動すると旧来どおり、基本的にはメインウィンドウがモニタを覆い尽くすが無論リサイズして小さくすることもできる。そして左には馴染み深いツールパレットが表示することもあり「あまり変わっていないかな…」と思わせるが、メインウインドウ上にはカスタムメニューが並び新しさを演出している。無論一度オペレーションを始めればどうしてどうして正直戸惑うばかりの多機能を有するツールとして生まれ変わったことを思い知らされる。
※思いつくままに「TypeStyler X」の機能を示すウィンドウ類を表示してみた例。機能の豊富さがお分かりだろうか【クリックで拡大します】
ただし私が当該製品をダウンロードした時点ではアプリケーションから「Help」をクリックしてもそのリンク先にはマニュアルらしき準備はまだできていないようだしFAQページも同様で現在制作中とのこと…。
実はこの「TypeStyler」はダウンロード後60日間機能制限無しでファイルの保存や印刷ができることでもあり、その間にサンプルデータも含めて準備するから…ということらしい(笑)。
とはいえまったく新しい機能に関しては少々戸惑う部分もあるが、目的がはっきりしているツールだけにマニュアルレスでも何とかなる。
基本的なアプローチは旧来のバージョンと同様だが、この「TypeStyler X」は単純にタイプフェースやロゴデザインを行うだけではなく新しいドキュメントを開く際、「単一ページ」デザインの他「ポスター」「バナー」「CD/DVDなどのテンプレート」「バッグ」「パッケージボックス」「ボトルのラベル」そして「ビデオ」を選択してから作業に入ることになる。
※ドキュメントセットアップダイアログ。ターゲットとするデザインを選択してから作業に入る
したがって仔細は今後時間をかけ順番にご紹介したいが、ボトルのラベルデザインをしつつそれを3Dのボトル上に貼り付けたイメージを確認しながらラベルデザインを仕上げていくといった手順が取れ、3Dイメージは簡単にメインウィンドウに取り込むこともできる。
※iSightからの映像をバックグランドにし、Visualizerウィンドウ内で3Dオブジェクトラベルのシミュレーション例(上)とクリックで3Dオブジェクトの図を2Dとして取り込む(下)
そして例えばバックグランドをiSightカメラからの画像とすることもでき、さらにテキストのGIFアニメーションや3Dオブジェクトなどを配置したQuickTimeムービーまで作り出すことができる。
※Visualizer機能によるアニメーション例
「TypeStyler X」は何らかのシェイプオブジェクトをパネルとして配置しタイプフェイスと共にそのデザイン、カラー、スタイルなど数多くのパラメータを駆使し目的のデザインを作りだすツールだが、そこに至るさまざまな機能ならびにインターフェースがこれまでと比較して大幅に機能強化しているわけだ。
Mac OS版のアプリケーションも奥が深い作りだったがこの「TypeStyler X」は「Style Workshop」ウィンドウひとつを例にしてもその機能の豊富さ、可能性の高さは分かってもらえるに違いない。
※「TypeStyler X」の「Style Workshop」ウィンドウ例。これだけでも奥が深い
そう…私がこの「TypeStyler X」に対して求めたことは本音を言えば機能の豊富さではない。
Mac OS Xの最新バージョンで安定した作業ができることは勿論だがMac OS版では日本語フォントをサポートしていなかった点が不満だった。しかし勿論のこと「TypeStyler X」はUnicodeをサポートし日本語フォントの活用もできる…。
「TypeStyler X」を前にしていると…そう、デザイン世界を飛び回るそのコックピットに座っているような気持ちになってくる。その豊富なパラメータは少々複雑だがインターフェースは直感的でひとつひとつ確認していけばその機能が何を意味するかは必然的に理解出来るはずだ。
そしてなによりもオペレーションするその事こそを楽しめるアプリケーションなどそんなに多くないと思う。
ただし、ざっと確認した範囲では私見ながらまだまだバグも存在するようだ。しかし7年間待ったのだから、十分活用できるようになるまでもうしばらく待っても良いかな…といったゆるい気持ちでいる(笑)。そして使用開始60日近くなったらアップデート版を購入するつもりだ。
次回は「TypeStyler X」のメイン機能の主だったものをご紹介してみたい。なお価格はダウンロード版がUS$179.95、ダウンロードによるアップグレードがUS$99.95とアナウンスされている。