何度か愚痴のように同じ事を書いているが、Macintoshと比較してLisaに関する情報は桁違いに少ない。Macintoshにはご承知のようにリリース直後から現在に至るまで多くの書籍が出版されたがLisaに関してはリリース時のニュース的な記事が関連雑誌に取り上げられたことはあっても市場の支持が得られなかったからか出版物は至って少ない。そんな中やっと1984年に出た「Apple Lisa : A User-Friendly Handbook」を入手した。

 

本書「Apple Lisa : A User-Friendly Handbook」は1984年に米国TAB Books, Inc. から出版された。著者はJoseph Colemanである。
その出版された年代および表紙の写真からも分かるように本書はLisa 2をターゲットとした書籍である。そしてその内容はいってみればLisaの入門書でありその概要説明からデスクトップ・マネージャー、すなわち画面を机上に見立てメタファーとしてのアイコンやフォルダがどのようなものなのか、その基本的な操作を交えながら解説するというものでLisa付属のOwner’s Guideの補足的な役割を果たすべき企画だったと思われる。
米国から送られてきた本書は勿論古書だが1984年の初版本としては大変綺麗であり、目立つ傷や折りはない。もしかするとデッドストック扱いだったのかも知れない。

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※1984年米国にて出版「Apple Lisa : A User-Friendly Handbook」Joseph Coleman著の表紙


その308ページほどもある大半はLOS (Lisa Office System)として用意されたアプリケーション、すなわち「Lisa Write」「Lisa Calc」「Lisa List」「Lisa Graph」「Lisa Project」そして「Lisa Draw」という「Lisa Terminal」を除く6種のアプリレーション解説にあてられている。
したがって現在の視点から見れば、Lisaというパーソナルコンピュータのオペレーションを知るためにあらためてこの種の本を手にする意味はほとんどない。そして私もLisaならびに各アプリケーションの基本操作を知るために手に入れたわけではない。

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※Lisa Write解説’(上)およびLisa Graphの解説(下)ページ例。純正Owner’s Guideにはない詳細な解説が目立つ


この「Apple Lisa : A User-Friendly Handbook」をわざわざ米国で探して手に入れたのは冒頭に記したようにオフィシャルな資料が非常に少ないLisaの書籍だということ、そして筆者のJoseph Colemanがどのような人なのか詳しくは知らないが、往時Lisaならびにそのオペレーションがどのように評価され、例えば今では何と言うことのない当たり前の事だとしてもデスクトップという概念がどんな受け取られ方をしていたのか…という一端を覗けるのではないかと期待したからだ。
ハードウェアやソフトウェアは心細いものの何とか現在まで残されて実際に値するものがあり、その実力やら使い勝手というものを評価し得るものの、最初にGUIを搭載したパーソナルコンピュータのLisaに人々がどのような印象を持ったのか、何を期待しどのような夢を託そうとしたのか…といったことは25年も経ってしまった今では大変分かりづらい。
本書を紐解くことでそうしたことのほんの少しでも私自身が受け止めることができたら嬉しいと考えている。

無論本書は英語版であり、私のような英語アレルギーの人間には細部のニュアンスに至るまで理解出来ないかも知れないが少しずつ楽しみながら探求を続けたいと思っている。
なお本書と一緒に別途「Macintosh Repair & Upgrade Secrets」という1991年出版の書籍も届いている。機会を見てこれまたご紹介させていただく予定である。