そもそもオールドなマシンを扱うことは様々な面倒というか手のかかるあれこれを引き起こす。単に飾っておくだけなら外観だけに気をつければよいが実際に何らかの形で使おうとすると起動できなければならないしバッテリーの問題だって無視するわけにはいかない。そして新品なら気にも留めない部分にも長い年月を経た特有の問題も生じてくるものだ。

古いマシンを何とかきちんとした形で動作させたいと考えている方も多いと思う。私もソフトウェアの検証のためにMacintosh 128Kをはじめ数機種のオールドマシンを保有しているが、ここのところ気になるのがLisa 2/10のゴム足である。

“ゴム足”とは他でもない、マシン類を安定して机上などに置き、接地面へ傷を付けない配慮はもとより、使用中に筐体が簡単にずれたりしないような滑り止めの働きをするあの突起である。そして機器によっては机上から少し本体を浮かすことで熱によるトラブルを防ぐ役割やマシン類の振動が伝わるのを防ぐ役割も果たしているという…。
したがってこのゴム足という代物は通常パソコン本体だけでなくキーボード、外付けハードディスク、プリンタといった周辺機器にも標準装備添付されているのがほとんどである。
安価な製品などでは接着剤のついたゴム足をユーザーが貼り付けるようになっているものも多い。
それらは通常ゴム製で出来ていることから一般的に“ゴム足”などと呼ばれているが、一時期のPowerBookなどでもこのゴム足が簡単に取れてしまうトラブルが生じ話題になったことがあるので記憶されている方も多いに違いない。

このゴム足という代物は通常ほとんど気にも留められず感謝されることはないが、ひとたび1つでも破損したり取れたりすればその役割の意外な大きさにあらためて気づくといった不思議なアイテムでもある。ただしMacintoshの場合、すべての製品にそのゴム足が付いているわけではない。
例えばMac Proにはそうした配慮は不要だと考えられたのだろうかゴム足は付いていないしiMacのアルミ製スタンドも滑りにくい材質を底面に採用しているものの、あらためてゴム足といった突起を配置してはいない。

ゴム足の形状やサイズはまちまちだが古い機種…例えばApple IIeなどを確認するとその筐体の床面が大きめなことを受け、かなりしっかりした台形のものが底面四隅に接着剤で付けられている。しかし私の所有している2台のApple IIeのゴム足はいまだにしっかりとしており簡単に取れる気配は見せていない。対してMacintosh 128K, 512K, Plus, SEといった初期型一体型Macintoshのゴム足はすでに一部機種は欠落している。

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※筆者所有のMacintosh 128Kはゴム足のひとつがすでに無い


無論扱い方の違い、すなわち一般的にApple IIといった機種より一体型コンパクトMacintoshの方が本体の移動頻度が高いといった事由もあるかも知れないが…。

さて、今回の話題の主役はLisa のゴム足だが実は気になるのは本体ならびに外部ハードディスクのProFileのそれではなくキーボードなのである。

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※Lisaのキーボードのゴム足は無事ながら、軟化しベタつくようになっている


無論私の手元にあるLisa本体、ProFileそしてキーボードのゴム足が、リリース時のままであるかといった確証はない。しかしその位置や形状・状態から察するに往時のものだという感触は受けている。
Lisaのキーボードに付いているゴム足は少々色味が違うもののApple IIeなどのそれとほとんど同じものと思われる。

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※Apple IIeのゴム足は色味は違うもののLisaキーボードと同様な形状をしている


この時代のゴム足がなぜ問題なのかといえば「取れた」とか「紛失した」といったことだけでなく長い時間が経ったため材質が劣化し、物によると硬化し滑るようになるとか逆に軟化してしまうことで溶けたような状態になりべた付くようになる…などといった変化を起こすことがあるからだ。
滑るのも困るが、軟化したゴム足でそのまま長時間放置しておくと、それを置いた面に跡を残してしまったり貼り付いてしまうことさえある。

事実、Lisaの頭上に乗っているProFileの6つのゴム足のうち1つは取れかかっているが、興味深いのはそのゴム足の先端には別途シリコン製だろうか、これまた小さな円盤のゴム足が取り付けられていることだ。

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※Lisaの外付けハードディスクのゴム足は前所有者の配慮か、ゴム足に別途シリコン製の足が付けられている


無論これはこれまでのゴム足が滑るようになった…あるいはべた付く…といった問題を解消するために補修されたものに違いない。
しかしLisa本体やProFileといったものは通常そんなに移動したり設置場所を変えたりといったことはしないからあまり問題ではないがキーボードの場合に不具合を感じるのだ。
キーボードはその時の使い方により机上でその位置を多少でも動かす必要性が生じる。したがって持ち上げよう…移動しようとすると机上に粘着し強く引っ張ることを躊躇する状態になるときがある。確かに滑らないのはよいがこれでは使い勝手を損なうことになる。

問題は対処方法だが、まさか同種のゴム足を調達するのは難しいかも知れない。比較的アバウトなものだから材料を削りだして作るのも手だがそんな手間はかけたくないしキーボードに限らないもののゴム足を付けて机上に置いたとき、そのゴム足のすべてが計算通りぴったりと机上に隙間無く置くようにするのは頭で考える以上に難しいものなのだ。したがってもし取り替えるなら市販製に限る(笑)。
簡単なのは市販のゴム板を現状の足に接着剤で貼り付けることだが、厚みのあるものだとキーボードの高さに関係し使用感が違ってしまう可能性もある。というわけで結局今回は適度な厚みのフエルトをゴム足先端に貼ることで粘着性を解消しかつ滑り止め効果もあって必要な力を加えれば簡単に移動できるといったことで落着した。

ところで隣に設置してあるMac Proではいま、Mac OS X Snow Leopardのテストインストールなどを行っている。その空き時間…待ち時間を利用して25年も前のマシンのメンテナンスをやっているわけだが、最新のプロダクトと25年も前のプロダクトを同時に使っているわけで思えば凄いことである…。