国産パソコンの多くはテレビチューナー付きだし、Macだって2万円も出せばテレビチューナーを内蔵したDVコンバータユニットが手に入り、Macの画面でテレビを観ることが出来る。こんな情報を見ると無意味とは思いながらも我が身の苦労の時代を愚痴りたくなる(笑)。 

この世界で価格の比較はタブーだといわれる。ちょっとの差で製品価格が大幅にダウンして悔しい思いをした人も多いはずだが、ましてや10数年前の話を持ち出して「あの頃のMacintoshの価格は自動車と比べられたんだぜい…」といった類の話は若い方にはまったく受けない(笑)。 
それは分かっているが、昨今Macintosh本体はもとより、周辺機器の低価格なことといったら、買う買わないはともかく、古参ユーザーには涙がちよちょぎれる(古いねぇ…)。 
リアルタイムのユーザー諸氏には当たり前かも知れないが、やはり今は恵まれていると思うのだ。 

1988年から1990年あたりにはMacintosh IIシリーズ用のNuBus仕様周辺カードが多々登場した。フルカラーを表示させるグラフィックカードはもとよりだが、羨望の的のひとつは当時としてもやはりTVカードだった。しかし今ではどうということもない「TV番組をMacintoshのモニターで見る」「できたらその画面をキャプチャする」といった事が当時は簡単にできなかったのである。 
無論実現する手段はなかったわけではないが、その画質レベルはもとより価格がまったく一般的ではなかった。 
例えば私が米国のMacWorldExpoに行ったときに購入したComputer Friends社「TV Producer」というNuBus仕様のTVカードだけでも数千ドルもしたのである。そしてモニターに映った映像をキャプチャしてファイル化するためには別途「Color Freeze24」といったさらに1,380ドルの製品を組み合わせなければならなかった。 
TVProducer

写真上が「TV Producer」で下が「Color Freeze24」だが、問題は何とか無理して予算をクリアした後にも大きなリスクが待ちかまえていた。なにしろ日本に代理店がある時代ではなく、万一トラブルがあったとしても米国メーカーに直接接触するのが大変だった。現在のようにインターネットは普及しておらず、クレームは航空郵便で…といった時代だったのだから…。 
事実ブースでは「OK…OK! 」とお気楽に言っていた製品を喜び勇んで買い求めたとしても日本語システムでは動作しないといったことが多々あった。 

現在個人的にはビデオ編集はともかく、パソコンでテレビ番組を鑑賞するつもりはないのでこの種のハードウェアは入手していないが、当時の苦労と情報集めに膨大な時間を使ったことを思うとき、(株)ピクセラとか(株)アイ・オー・データ機器のTVチューナーボックス類が眩しくてやりきれない。