一部報道によれば今年1月から病気治療に専念すると宣言し休んでいたAppleのCEO スティーブ・ジョブズ氏が正式に業務に復帰したようだ。大変嬉しいニュースだがまだフルタイムではないようで週に2,3日出社後は自宅で仕事をするとのこと。この体制がジョブズ氏の体力復帰までなのか等々について相変わらず発表はない。

 

スティーブ・ジョブズ氏の姿は一時いわゆる激やせで我々を驚かせそして心配させた。当初は具体的な発表もなくさまざまな憶測だけが飛び交い、「最悪の状態も覚悟しなければならないかも」といった情報もあったほどである。
その治療のため6ヶ月休養すると発表されたその経緯も最初はホルモンバランスの異常といった話しだったが結局は膵臓癌が転移したための肝臓移植手術であったと分かった。手術は4月に行われたと発表されたからすでに2ヶ月ほど経過していることなる。
考えたくはないことだが、癌の転移が原因だったとすればこれから数年の経過を見なければ100%完治したかどうかは分からないだろうし、最悪はまたまた入院および手術といった可能性もなきにしもあらずだろう…。

このジョブズ氏が留守の間、ティム・クック氏やフィル・シラー氏らの努力でAppleの舵取りは支障なく進んできたようだ。だからということなのか一部ではすでにスティーブ・ジョブズ氏の存在は絶対ではなく引退する良い機会なのではないか…といった意見もあるようだ。
しかし私はジョブズ氏は命のある限りAppleを辞めないと思うし、そうあって欲しいと願う一人である。

この6ヶ月ジョブズ氏はずっと昏睡状態であったわけではなく重要な案件については経営に参加していたというから当然のことながら全権をティム・クック氏に渡したというのではなく(万一の場合はともかく)ジョブズ氏の意思に沿った経営をティム・クック氏指揮のもと行ってきたというのが本当のところなのだと思う。それをあたかもジョブズ氏抜きでAppleは問題のない舵取りができたからジョブズ氏はいらない…といったニュアンスのもの言いは笑止というべきだ。

SteveJobs

※1日も早くまたジョブズの元気な姿を見たいものだ…

無論Appleからも本人からも分かりやすい情報開示がない以上、ほとんどがこれまた推測の域を出ないわけだが、ジョブズ氏にとってAppleは命そのものだと思う。これは我々Appleフリークが象徴的に言うだけでなく、おそらくジョブズ氏自身がそう思っているのではないかと考える。
健康であったとしても後30年も40年もCEOを続けることは出来ないしいつかはその座を明け渡すときがくるだろうが、最高経営責任者であろうと会長であろうと大きな決定権を保持したままAppleに関わっていくのではないかと思う。ただしそれらは彼が健康を保ち続けていられることが前提である。

NeXTからAppleに復帰したとき、我々ユーザー以上に喜んだのは誰あろうスティーブ・ジョブズ氏その人だったと私は思うし、その後の思いきった舵取りや報酬を年1ドルしか受け取らないその頑なな姿勢からそれは十分感じられる。
ジョブズ氏にとって大きな存在だったピクサーも今はディズニーの傘下にあるし彼のアイデンティティーを膨らませ生き甲斐を感じることができる仕事はApple以外には考えられないではないか。

スティーブ・ジョブズ氏からAppleを奪ったらただの大金持ちの男になってしまうかも知れないし、またAppleからスティーブ・ジョブズ氏を除いたら…それは歴史が証明しているように代わり映えしない製品を生み出しながら沈没するメーカーに逆戻りするかも知れない…。Appleとジョブズ氏は切り離せない双子のような存在なのかも知れない。
繰り返すが、私はApplがそしてユーザーが彼を必要とする限り、ジョブズはAppleに関わっていくに違いないと考えているしそう願っている。
そして嫌な話しだが、万一彼の命が尽きるときがあったら「元Appleの」ではなく現職として「Appleのスティーブ・ジョブズ」と書かれ、言われたいと考えているに違いないとも思うのだ…。
一度ならずとも死を意識せざるを得なかった彼にとってAppleはまさしくスタートであり、そしてまたエンドでありたいと願っているに違いない。

興味のある点としては今後もフルタイムは避け、週2,3日Apple本社に出社し後は自宅で仕事をするというが、現実にCEOの立場がそうした環境をいつまで許してくれるかだと思う。そんなことはジョブズ氏自身百も承知だと思うがCEOという職は想像を絶する激務である。その上に細かなことにも頭を突っ込みたいジョブズ氏の性格からしてそうした環境を容認していけるのだろうか…。
現実の可能性としてはある時点でCEOを例えばティム・クック氏に譲ると共に代表権を保持したまま会長職といったポジションに変わる可能性はあるかも知れない。
いずれにしても健康に留意して「Appleのスティーブ・ジョブズ」であり続けて欲しいものである。
しかし本人の意思なのだろうが、企業の命運に関わる重大なことなのに復帰したというプレスリリースなどがないのが気になる。
そうした面では相変わらずAppleという会社はヘンテコな企業である(笑)。