
先日Vueを最近始めたという知人から「地面に足跡・靴後を残したいが、どうしたらいいか」という質問を受けた。聞けば幸い私と同じく最新版のVue 6を持っているとのこと。それなら簡単だ…。
3Dに詳しい方ならオブジェクトに足跡といった凹型を残すことは難しいことではないだろう。例えば足形とか靴の形状を別途用意し、ブーリアン減算を使えばその形状を凹型に残すこともできる。しかし3D初心者はその足形や靴の形を作るのも容易なことではない…。
さてVueだが、冒頭に「幸い」と書いたのはVue 5にはなくVue 6にある機能を使えば至極簡単に足跡を作り出すことができるからだ。なぜならVue 6 には「地形エディタ」機能の中に地形を掘り下げたり持ち上げたりする際、ペイント機能の一環として「エアブラシスタイル」を選択し、その形状で地面を掘ることができる。
どういうことかといえば、地形すなわち地面を削ったり持ち上げるときの形をユーザーが定義できるわけだが、コレクションとして予め25種の「地形ブラシ」イメージが用意されており、その中に素足の足形と靴跡のイメージが用意されている。
したがって例えば足形の地形ブラシで地形を掘れば、それだけで足跡は出来上がってしまうわけ…。無論最終イメージに合わせてその大きさとか深さを考える必要があるが、地面に人の足跡とかワンコの足跡を付けたオブジェクトを用意するなどVue 6なら簡単なのだ。知人は単にそうした機能の存在を知らなかっただけだった…。
以下蛇足ながらその「地形エディタ」と「地形ブラシ」を使って足跡を作る課程を簡単にご紹介してみよう。
まず「地形エディタ」とはその名の通り、なだらかな砂丘のような地形から、逆に凹凸の激しい山々…といったさまざまな地形を作り出すことができるVue基本中の基本ともいうべき機能である。
地形の縮尺にもよるが、凹んだ部分に水を表現すれば池とか沼となり、盛り上がった部分に積雪を表現すれば雄大な山岳地帯を創り出すことも出来るし、木々を植えることで壮大な景観を表現することもできるわけだ。
※Vue 6の地形エディタウインドウ
その際にイメージに合う地形・地面の形状を作る機能としてペイントツール感覚で地形を切り崩したり反対に盛り上げたりすることができる。それらの機能の一環としてペイント感覚でいうところの掘ったり盛り上げたりするブラシの形状「エアブラシスタイル」を選択することができるわけだが、Vue 5にはこの機能は備わっていない。
さて、実際に足跡を表現するといってもどのようなイメージのものを作るかが重要だが、まずは大きく凹凸しているのではなく比較的平たい地形を用意しよう。ともかくこうして地面を用意し、3D画面であらかじめ「質感」を与えておくと分かりやすい。質感は地面が乾いた土なのか、ぬかるみなのかといったことを考えて適当なものを質感の「地面」コレクションなどから指定する。また足跡の付近の明るさも保っておくとよい。
こうして下準備の後、Vue 6の3D画面に置いた地形をダブルクリックすれば即「地形エディタ」に戻れる。そして実際に地形へ足跡を残してみる。
「地形エディタ」の「ペイント」タブを選択し、「ブラシ設定」の「エアブラシスタイル」にチェックを入れてその右にあるアイコンをクリックすると「画像選択」ウィンドウが表示する。このコレクションリストの「地形ブラシ」を選ぶとそこには25種のブラシイメージが用意されており、素足とか靴底のイメージもある。
※「地形ブラシ」には25種のブラシイメージが用意されており、素足や靴底のイメージもある。
ここでは早速靴底のイメージを選んでウィンドウを閉じる。続いてブラシのサイズや適用量といったパラメータを目的にあったように調整し、最後に「ブラシモード」を「掘る」にする。
跡は地形上の任意の位置にブラシを置いてマウスをクリックあるいはプレスするだけだ。このとき、ボタンを長く押し続けると深く掘ることになる。
※靴底跡のブラシで地形を掘れば足跡の完成だ
基本的な作業はこれだけだ。後はその足跡がどのようなシチュエーションで使われるのかといった演出面を考えて編集しレンダリングすれば完成である。
ここではまず乾いた地面に付けた靴跡を作ってみたが、その他にぬかるみに少々深い足跡を付けた感じのイメージも作ってみた。
※乾いた地面をイメージした作例(上)と湿地に靴跡を残したイメージの作例(下)
Vue 6の「地形エディタ」は今回見ていただいたようにプリセットされたブラシ以外にユーザー自身がPhotoshopなどで作った白黒2値の画像データをブラシとして使うこともできるので様々な演出が可能となっている。
「地形エディタ」は繰り返すが、Vueによる3D景観を作る際には基本中の基本となるべくものだが、どうも一般的には重要視されていない感じも受ける。その理由は使い方の基本が大変イージーだからかも知れないが、もしこれまで重要視していない方がいらしたら再発見の意味も含めて再考してみるに値する機能だと思う。