6月15日の午後5時から予約受付が開始されたiPhone 4だが、早速これまでのiPhone 3GSの機種変更として申し込みをしてきた。今のところはスムーズに手に入る ”はず” のブラックモデルである。1日も早く実機を手にしてみたいがその前にその販売方法に大いなる違和感を覚えるのは私一人ではないだろう。

 

携帯電話の料金設定ははっきりいってわかりずらい。自分が購入し、金を払う対象なのに果てしていくらになるのかが一目で判断しにくいのだからおかしな話しである。
ソフトバンクに限らないがNTTドコモだって本来この種の企業の企画や戦略に携わる人たちは頭が良いはずだ(笑)。であるなら、この分かりづらさは彼ら彼女らの能力の無さからくるものではなく意図的だと考えたくもなる。
iPhoneに限った話しとしても店頭で頭金を取られたとか、抱き合わせの契約を強いられたといった苦情が多々ある。そうした契約は理不尽であると思ってもiPhoneをいち早く入手したいからと契約してしまう人たちを責めるわけにはいかない。どう考えてもユーザーに罪はないし問題があるのは販売店側だ。

これまでにもこうした問題があることは知られていたがTwitterなどの普及でよりリアルタイムに生の情報が行き交うようになったから一般にも知られるようになった。
ソフトバンクのCEOである孫正義氏(以下、孫さん)がそのTwitterで次々にユーザーの希望を「やりましょう!」と実現していくことで男を上げ(笑)企業イメージを向上させたのは確かだが、皮肉にもそのTwitter上で悪い面もよりはっきりと表に表れるようになった。

TweetieScreenS_sonsanB

※ソフトバンクの最高責任者でCEOの孫正義氏によるTwitterによる一連の書き込み例


興味深いというか、おかしいと思うのはこれまた孫さんの反応である。
孫さんがTwitter上で「端末代金価格は、仕入れて再販している代理店の自由。強制的な価格統制は独禁法違反。せっかく割賦販売価格に月々割を付け、世界一安い価格でiPhone4の販売目指す当社として一部代理店の行為は残念無念。」と発言されていることをから代理店は端末本体の販売価格については自由裁量なのだということになる。であれば頭金云々といった物言いはともかく例えば5,000円高く売っても違法ではないということなのか…。
どうやら本来自由裁量の代理店に端末価格の一元化を強いるのは価格統制にあたり独禁法違反となる可能性があるという。だからソフトバンク側は代理店側には「推奨価格」として提示するしかできないのかも知れない。
とはいえ我々消費者は近隣にあるソフトバンクショップが直営店なのかあるいは代理店なのかについて気にしているケースはあまりない。それは前記したような情報を開示されていないことでもありソフトバンクの看板を掲げているお店は皆同じだと考えているからであろう。

また繰り返すが孫さんが「せっかく割賦販売価格に月々割を付け、世界一安い価格でiPhone4の販売目指す当社として一部代理店の行為は残念無念。」ということはソフトバンク側の指針・意図は代理店にも当然のことながら伝わっているはずだが代理店側が意図的にそれを無視し、この機に乗じて売り上げを伸ばすべく頭金とか本来はオプションの契約を強いることにしたと解釈するしかない。
だとすれば代理店の方が力関係のバランスとして…ソフトバンクより強いということになる。勿論我々はソフトバンクとその代理店との間でどのような契約がなされているかは知るよしもないがソフトバンク側の意図が代理店に反映されていないというその一点をとっても普通は考えられないことではないだろうか。

またTwitterの書き込みに寄れば頭金の強制といったことは代理店だけでなく直営店でも行われていたという。孫さんは「何かの間違いではないでしょうか。どこの直営店でしょうか?」とフォローしているが、書き込みが本当ならこれまた由々しき問題である。
なにしろこうした一連の騒動に違和感を覚えるのはソフトバンクという企業は我々一般ユーザーにとっては資本金が1,887億5,078万円であり、連結子会社が109社にも及ぶ大企業と認知していることでもあり、そこいらのベンチャー企業が1,2年で伸びてきたという組織ではない。にも関わらずやっていることは小さな企業にも劣る命令系統の不徹底さである。

早速孫さんは「iPhone4予約での頭金排除の行動開始。本契約で頭金取られた場合私にtweet下さい。」とユーザーに呼びかけているが、iPhone購入ユーザーすべてがTwitterをやっているはずもなくこの発言を知るすべもない人もいるわけで、どこかしっくりしない。そして続けて「i4予約の段階で頭金を条件付けした店に本契約時点では、頭金を無くす様お願い開始しました。」と問題解決に向けて積極的な姿勢を示したものの当然のことながらこの効果があるのかないのかは分からない。
事実ユーザーから「…予約して本契約時に頭金4000円前後請求されたんですけど無くなるのでしょうか…」という問いに「そうしたいと願っています。」とどこか消極的な返事をしている。
代理店はソフトバンクにとって販売戦略に欠かせない重要な拠点だとは思うが、ソフトバンクの意向が反映されないような代理店はやはり淘汰していくべきだろう。
ソフトバンクも一昔前のようにベンチャー上がりのどこか危なげで怪しい企業といったイメージは球団を所有しさらにiPhoneやiPadの販売キャリアとして認知されたことでもあり払拭されたかに思えるが携帯電話のビジネスを含めて消費者に分かりにくい一面を無くさないと本当の意味で日本を代表する大企業とは評価されないだろう。

さらにご承知のようにいざ予約の当日、開始直後にソフトバンクのサーバーがバンクし予約ができなくなるという醜態を見せた。私も15日の夕刻、近隣のソフトバンクショップに出向いた1人だが、その幼稚さは逆にショップ側担当者が気の毒になってきたほどだ。
孫さんはいう。「3GS予約実績の10倍の申込に耐える容量でしたがそれ以上の申込でした。昨年の申込百倍以上に耐えれる規模に拡大しました。昨日は、無事乗り切れました。お詫び申し上げます。」と問題回避を強調する…。
2,3日で「昨年の申込百倍以上に耐えれる規模に拡大」できるのなら一時的にでもなぜ10倍でなく当初から100倍のキャパを実現しないのだろうか。
わざわざショップに列を作って長い時間並んだ人たちもいるわけで、サーバーエラーを理由に何の保証もなく放り出された人たちに「心からお詫び申し上げます」で済むと思われては困る。
なにかトラブルは同社だけでなく米国でもやらかしている…といった「よくある事」だと言わんばかりにも受け取れて個人的には気持ちがよくない。

もっと可笑しいのは一連の失態をやらかしているソフトバンクはともかく、そのグルーブ企業の最高責任者である孫さんを擁護する発言が多々あることだ。これらの人たちがソフトバンクとどのような関わり合いを持ってきたのかは分からないが、間違いやトラブルに対して苦情や苦言をいうのは当然のことだし、なによりも孫さんは繰り返すが最高責任者だ。
どんな企業でも、例え営業所とか支店の社員1人がビジネスに関わり不祥事を行ったとすれば責任者が謝罪するのは当然だ。そしてその不祥事でトラブルに巻き込まれた人たちがいわゆる文句をいうのもこれまた自然である。そうした苦言をいうブログやユーザーはある意味企業にとって一番大切な顧客なのだ。

ともかくその大企業の最高責任者本人がTwitterで直接ユーザーに接していることはまれに見る素晴らしいことである。そのトップダウンによる問題解決や新しいことに挑戦する様はまさしく孫さんならではの行動であり即他社が真似しようにもできないことだろう。
ただし孫さんご本人も十分承知しているものと思うが、Twitterなどでの直接露出は諸刃の剣でもある、企業イメージ向上には最良の作戦であろうが下手をすれば最高責任者本人が問題の矢面に立ってしまうし場合によっては炎上といった危惧もある。
そうした心配もあるもののこれまで孫さんのツィートを見る限り、納得できない発言もあるが企業と個人の顔をバランスよく露出しているように思え全体的には好感が持てる。

孫さんのツィートには坂本龍馬についてのコメントもありあこがれの人物でもあるという。是非是非iPhoneやiPadに限らず、携帯ビジネスやITといった時代の先端のものを扱っているいるからこその胡散臭さを龍馬なみの情熱と行動力で払拭していただきたいと願っている。
まあ、当面の興味は予約したiPhone 4が販売日に入手できるかどうかだ…。かなり品不足のようだから難しいかも知れないが、これまた孫さんの発言によれば6月24日の発売日当日には一部の量販店やApple Storeで限定販売をするという。
孫さんは「世界的に限定数量の当日販売が用意されています。これは、予約数と供給数量に関わり有りません。既に予約は供給数を大幅に上回っています。」と発言しているし確かに正式なiPhone 4発売日に物が無いというのではシャレにならないが、そもそもが列んでまで予約をしたユーザーを後回しにして当日入手する人たちが存在すること自体、予約者の1人として大変不愉快だ(笑)。
もう少し市場やユーザーの神経を逆撫でしないよう、その熱意を持って分かりやすいビジネスを展開して欲しいと切に願うものである。