先日遅ればせながらメインマシンをSnow Leopardにアップデートしたが、これが絶不調なのである。それに関連しアップルのApple Careサポートおよびサードパーティーのサポートに電話で問い合わせをしたが、アップルはともかくサポートする人材の質が落ちている感じがして不快であった。

 

コンピュータであれ何であれ顧客に対するサポートは大変難しいものだ。私自身ソフトハウスを経営していた約14年間、専任というわけではないが人手が足りない超マイクロ企業の常として自社製品のサポートのために電話口に出ていたからその対応の難しさは身にしみて理解しているつもりである。
中にはクレーマーもどきの人もいたし、名古屋のとある大学教授に至っては他社製品のトラブルを延々と電話口で喋りたて「貴方からその会社に説明してよ」というどうしようもないバカ者もいた。さらにメジャーな某TV局国際部の不正コピー利用者からバージョンアップの要求があったのでその不正を正したところその部下にコピーを渡した上司から「コピーなど誰でもやっている」と逆ギレされるなど信じられないケースも多々あった。
無論その放送局の当該部署には顧問弁護士から正規な問題追及の書面を送った結果、態度は一変し慌てて謝罪と相成ったが事ほど左様にサポート部署は大変なのである。
ともかくパソコンならびにそのソフトウェアは残念ながらトラブルに無縁な商品ではない。その上にそのトラブルの多くはハードの問題はもとより、OSやインストールしたアプリケーションなどと複雑に絡んでいる場合があり単純ではないから問題の把握が明確にできない場合もある。

とはいえ昨今はソフトウェアの価格が極端に安価になったのは良いとしてもそれに伴いサポートはメールでしか受け付けないことも当然となりつつある。しかし実際には文章では説明できにくい現象もあるしメールを送っても数日なしのつぶてといったケースもあり、緊急時には役に立たないこともある。
特にOSやシステムに関わるトラブルはマシン自体が使えなくなることもあり、他にマシンを持っていなければメールも出せない(笑)。

今回のトラブルでアップル・ケアおよびサードパーティーのソフト会社に電話をしてみたがあらためてサポートを担当する人材の重要性に思いを馳せることになった。
今回は武士の情けで社名は出さないが(笑)、私は当初間違ってとある販売会社のサポート担当部署ではなく営業の方に電話をかけてしまった。ただし電話口の男性は物腰も柔らかくサポート窓口の電話番号を教えてくれたが問題はかけ直したそのサポート担当の男性だ…。
口調からするに若い人ではなく年配者のようだったが、その印象は大げさにいうなら客商売には向いていない人物のようであり、しばしばこちらの話の腰を折り一方的に話を進めたがる…。そしでできるだけ早く電話を切りたいといった気持ちが伝わってくるようで大変不快であった。
たまたま手が空いていた管理職のオヤジが電話を取ったのかも知れないが、こんな人物とは本来話したくはなく「担当者をチェンジして貰えませんか」と言いたくなってくる(笑)。

逆に電話口の対応が柔らかいものの、人によってはあまりにマニュアル的といった感じがする場合もあるのがアップルのサポートだ。
ただし今回Snow Leopardのインストールトラブルに関して問い合わせをした際に電話口に出た男性はとても感じがよく、こちらの発言をしっかりと受け止めて対応しようとする姿勢が感じられ、問題解決には至らなかったものの好感が持てた。

一番の問題は先の「不調だったMac Proの内蔵光学ドライブを交換」でも指摘したとおり電話に出たサポート担当者に当たり外れがあることだが、反面サポート側からすれば電話をかけてきたユーザーすべてに同一レベルのサポートしか出来得ないことだ。
どういうことかといえば、サポートを受けたいとコンタクトをしてくるユーザーは実にまちまちである。まちまちというのは性別とか年齢といった意味ではなく昨日Macintoshを初めて買ったレベルのユーザーから、もしかしたらサポート担当者よりユーザー歴が古いユーザーもいるはずだ。しかし電話口に出たサポート担当者はこちらのレベルを知る由もないからして実に初歩の初歩から説明しようとするわけだ。
これがトラブルを抱えて焦っているユーザーにとっては感情的に火に油を注ぐ感じにもなる。サポート担当は平たく誰にでも分かるようにステップを踏んで問題を浮き立たせようとしているのかも知れないがユーザーだってMacintoshを10年も使っていればかなりの基礎知識を得、様々な経験をしていることは明らかだ。

ということで、かつて私が自身の会社のサポート電話口に出たときには冒頭の挨拶とトラブルの内容をお聞きした後に必ず「失礼ですがお客様はMacintoshのユーザー歴は何年ほどですか?」といったことをお聞きするようにしていた。
無論前記のもの言いとは矛盾するがユーザー歴10年だったとしてもハードやソフトの仕組みあるいはパソコンがどのようにして動作するかといったロジックなどには無関心でただただメールとワープロだけを使ってきただけというユーザーもいるから一概には推し量れないものの相手の力量を知った方が対応がしやすいのは申し上げるまでもない。
また比較的初歩的なもの言いをしなければならない場合にはあえて「すでにお客様はご承知のことと思いますが」といったもの言いをして顧客の自尊心を傷つけないよう気を配ったつもりである。しかしいまではそんな些細なことに気を配るサポート担当もこの業界にはほとんどいないようだし問題も多様化することからどうしてもマニュアル化、パターン化してしまうのだろうか。

しかしひとついえること、それはサポート依頼のために電話したユーザーの話の口を折るような担当者は自身が真のユーザーではないと言っているようなものだ。できることならそんな人材が一番大切なユーザーサポートのポジションにいるような企業の製品は買わないのが一番なのだが、製品主導で考えればそうもいかないのがこちらの弱みである。
例え問題解決に至らなくても親身になって解決の糸口を考えてくれていることを実感できるなら顧客にとってそれはそれでひとつの満足なのである。
事実私が経験した中にも途中でトラブルに直接関係ない話になり、何だか人生相談の様相を呈してしまうようなケースもあったが、クレーマーはともかくメーカー側が論理的にそして親切に対応してくれることこそが重要で場合によっては解決が難しいことなどユーザー自身も薄々知っているケースもあり得る。
ただし藁にもすがりたい気持ちでサポートに電話したその結果が客商売に不適切な担当者に振り回されたり、必要以上にマニュアル化した無機的な対応だったりするとプロダクトの問題がメーカーや販売会社そのものの不審に転化されてしまう場合も出てくる。

まあ、アップルほどの組織になればともかく、失礼ながら中小なサードパーテイー各社にあまり酷な要求をするつもりはないが、適切なサポートをする気がなければ日本総代理店の看板を下ろしてユーザーが直接海外のメーカーから購入出来るようにして欲しいと思う。
こうした小さな会社のサポートは我々がそうだったように専任のサポート担当者を置く余裕がなく、開発や技術部署の人間がサポートを兼任するといった場合が多いのかも知れないが、そうした部署には概して技術知識は豊富でも人との接し方が下手な人間もいるものだ。
そしてそもそも中小の会社は大企業とは違い、サポート教育などまったくやっていないところも多いと聞く。だからこそ少なくとも企業はサポートをさせようとする担当者がそれに相応しいかどうかの見極めぐらいは最低限やっておかなければならない。
いまだに製品サポートを、購入時のオマケ的なものという意識しか持っていない企業があるようだがあのトヨタでさえ対応や判断を誤れば一瞬にして危機に瀕する時代なのだ。したがって特にサービスが悪い(笑)IT関連企業は今一度サポート担当部署の人材がそれに適しているかを精査すべきだと思う。企業存続のためにも…。