
外出するとき、iPodとラジオ…どちらを持つか? 私はiPodより日常の多くは小型ラジオを携帯する場合が多い…。何故なら音楽はもとよりだが、日常の様々なニュースや情報を吸収したいと思うからだ。というわけで、久しぶりにレシーバーを買い換えた。
大昔の話で恐縮だが、パソコンといった機器に出会う前に私はBCLというものに夢中になっていた時期がある。すでに27年以上も昔のことだ…。当時「趣味は\”BCL\”だ」といったら、友人から「なに?べーシティローラーズの追っかけ?」と言われた笑い話がよみがえる…(笑)。
いや、BCLとは確かbroadcasting Listener…すなわち海外放送聴取者のことだったと思うが、毎日夜更けにバチカン日本語放送とかオーストラリアの日本語放送といった海外短波放送にチューニングを合わせたものだ。この趣味は相応のレシーバーが必要だが、後はわずかな電気代以外は金がかからないのが良い趣味だった(^_^)。

※1977年当時の机上の様子。棚の上に左右二台あるのが短波放送受信用レシーバー
そんなわけで私はもともとラジオ派なのかも知れないが、日常もラジオから耳が離せない一人である。近所に出るときにもすでに長い間愛用しているソニー製3バンドの小型レシーバーを持参しなければ気が済まない。

※長い間愛用し、傷だらけのSONY製 3バンドのレシーバー
この小型レシーバーはなかなか優秀で、モノラルだけどAM/FMは勿論だがテレビの音声も1チャンネルから12チャンネルまですべて入る。だからニュースを聞きたいとき、音楽を聴きたいときなどなど、気分に合わせてソースを選択できる。なによりテレビは画面を注視しなければならないが、音声だけだと何かをしながら聴けるのがラジオの利点である。
その愛用のレシーバーがさすがに具合が悪くなってきた。それを機会に同じような製品を買うのも芸がないとも思い(オイオイ…)、アルインコ社製の多機能レシーバー「DJ-X3」という広帯域(ワイドバンド)のハンディレシーバーを購入した。

※アルインコ社製WIDE BAND COMMUNICATION RECEIVER「DJ-X3」パッケージ
■広帯域多機能レシーバーって?
いやはや、このハンディ型の広帯域多機能レシーバーとiPodを同列に比較するのも野暮だし適切ではないのだが、好きな音楽は日常のiTunesで聞いているので外出時はどうしてもレシーバーとなってしまう…。
さて、しばらくこの手の機器から遠ざかっていたらこちらの世界も小型で安価、そして大変優秀な製品が登場していたのだ。そしてこのハンディレシーバーという製品も様々なメーカー、ランクがあり多用なものがあるようだが、私の手にしたアルインコ社製「ALINCO DJ-X3」は小型な広帯域受信機であり、下はAMラジオ放送の帯域から、上は1300MHzまでの周波数をカバーしている。したがってAMやFMラジオ放送は勿論だが、TVチャンネル音声・VHF航空無線・VHF/UHFアマチュア無線・船舶無線・コードレス電話・CB無線・官庁/業務/防災・JR/タクシー無線・特定小電力無線・道路公団(JH/JAF)・救急/消防/防災無線などなどにいたる受信が可能だという代物である。まあ、広帯域レシーバーとは乱暴に言えば、トランジスタラジオの高機能な親玉版と考えれば間違いはないだろう。


※専用アンテナ部分を含む「DJ-X3」全容(上)と本体部分(下)。本体の大きさはマウス程度だ
しかしこう説明するとなにやら盗聴可能な危ない機器のように聞こえるかも知れないが(^_^)、この種のレシーバーで前記した周波数帯域の電波を受信すること自体は合法である。またこれらを日本国内で使うことに免許などは必要ない。ただし電波法第59条の「秘密の保護」を犯してはならないことは申し上げるまでもない。そして盗聴といえば、このレシーバーには盗聴器発見に威力を発揮する盗聴器探知機能までついているのだ。
その筐体もアンテナ部分はともかく、本体サイズが102×56×23mm、重量は約145gと小型軽量である。そして標準のニッケル水素電池で約13時間、そしてアルカリ乾電池で約44時間の連続受信が可能だ。
また念のために記せば、広帯域レシーバーもパソコンでいうところのデスクトップとノートに匹敵する大別して二つの世界がある。それはプロ仕様というか据え置き型の高機能な製品と今回私が手に入れた「ALINCO DJ-X3」のようなハンディ型である。そしてこれには内蔵スピーカーの他、イヤフォンジャックが備わっている。
■早速「ALINCO DJ-X3」で受信してみる
アンテナとバッテリーを装着し、そしてベルトクリップなどを付けてから早速取扱説明書をながめてみた。情けないことに”スケルチ”、”音声反転機能”、 “アッテネータ”などなど忘れかけている、あるいは初耳の言葉が多くて苦笑いだ(^_^)。
ともかく一番利用するであろうAMラジオとFMラジオを受信してみる。まあ、これだけなら普通のラジオを買えば安いのだが、それを言ってしまえばお終いである(笑)。
「ALINCO DJ-X3」は特徴のひとつとして、FMステレオを高感度受信でき、中波・短波は専用のバーアンテナを内蔵している。したがってなかなかクリアな受信ができるのだ。ただ普通のラジオレシーバーなら周波数を入力するかプリセットしてある局選択すれば良いがこの手のレシーバーは少々勝手が違う。
「ALINCO DJ-X3」のより上のクラスの機種、すなわちテンキーモデルとよばれる製品だとそのテンキーで周波数を直接入力して目的のチャンネルにアクセスできるが「ALINCO DJ-X3」のようなテンキーレス機はそうはいかない。とはいえ「ALINCO DJ-X3」に備わっているVFO受信とプリセットモード、そしてメモリーモードを効果的に使うことで目的のチャンネルを素早く受信することができる。
ちなみにVFOモードとはダイアルを使い、周波数を連続的に可変できるモード。プリセットモードとはAMラジオやFMラジオそしてTVのチャンネル周波数があらかじめセットされている機能だ。そしてメモリーモードは登録されている周波数を呼び出して運用できるモードを意味する。
というわけで、まずは馴染みの文化放送を受信してみた。「ALINCO DJ-X3」の電源を入れると液晶ディスプレイに\”HELLO\”とメッセージがでる。なかなかよろしいではないか(笑)。モードをプリセットモードにしてBANKキーを押してバンド帯をAMラジオにする。ディスプレイ上は\”Pc A\”と表示されている。\”Pc\”はプリセットモードを表し、\”A\”はAMラジオのバンドであることを示している。ここでダイヤルを回して1134に合わせば、クリアに文化放送が受信できる(当然だけど…笑)。後はよく聞くチャンネルをメモリーに保存しておけばよい。

※文化放送受信時の液晶表示。液晶左右部分はスピーカー(モノラル)
■一般放送の受信と違う点を認識する
「ALINCO DJ-X3」は、前記のように例えばFM東京とか文化放送などなどの一般放送を受信することもできるわけだが、ワイドバンド…広帯域受信はいささかそれらと違う部分もある事を意識することが必要だ。よくこの手の製品を買って「一般放送しか入らないぞ」と文句をいう人がいるという。
先のBCLで海外短波放送などを聞く場合もそうだが、受信にはちょっとしたコツは勿論、電波に関する最低の知識があるとより愉しむことが出来る。一般のラジオだって深夜になると昼には聞こえなかった放送が届くという経験をした人は多いはずだ。
相手が電波である以上、時間帯そして気候・季節などなどで受信状況が違ってくるのは当然のことである。また例えば消防や救急無線が受信できない場合、当然だが受信可能距離の問題もあり、一般的には近所にサイレンでも鳴って車が通る場合でないとなかなか傍受できるものでもない。いくら電波だからといっても自宅の一室に居ながらにして北海道から沖縄までの思いのままのバンドを一般放送のように受信できると思ったら大きな間違いだ。
さらに携帯電話や警察無線は現在100%デジタル化されているため、市販の無線機ではどんな高級なものでも聞くことが出来ないという。ましてやレシーバーの受信性能はコスト的な意味を含めて様々だし、もともとハンディ型のアンテナはいろいろなバンドを聞こえ易くするためのものであり万能ではない。電波が捉えにくい場合は目的の周波数に合う外部アンテナを接続すると大きな効果があるものだ。
こう書くと「それじゃあ意味ないじゃん…」という声が聞こえてきそうだが、それでもアンテナの方向を工夫するとか、部屋の場所を移動するとか、ノイズを生じる場所での使用を避けるなどといったことを考えれば、市街地でも様々な電波が入ってくることも事実である。
アマチュア無線の会話が驚くほどクリアに受信できたり、コードレス電話による会話が聞き取れたりする(^_^)。特にこの「ALINCO DJ-X3」は、最初から589チャンネルをメモリーに書き込んである。そして製品には取扱説明書とは別にバンク毎の周波数と対応する詳細が記されている印刷物が付属しているのでワイドバンドの受信時には役に立つはずだ。

※書き込み済みチャンネル一覧表が同梱されている
■ハンディ型ワイドバンドレシーバー使用の目的は
「ALINCO DJ-X3」はFM放送の場合はステレオで聴けるし、一般放送を十分に愉しむことができる。それ以上に上手にそして効果的に利用することで自分の身の回りに起こっている事件・事故情報などをいち早く知り得ることができる醍醐味はワイドバンドレシーバーならではのものだ。例えば道路や鉄道の正確な事故情報を得ることも含め、私たちがいかに膨大な電波情報の中に暮らしているのかを再認識することもできるだろう。
まあ、綺麗な言い方をするならワイドバンドレシーバーの目的効用は「電波による冒険」あるいは「電波による世界旅行」といった類の思い入れに付随して「電波を介した未知の世界との遭遇」の面白さや「電波による世界の再認識」を深めることができる点にあると思っている。
■使用上の注意
携帯電話だってマナーが求められている。ワイドバンドレシーバーも同じであり、例えば場所により無線機や受信機の持ち込みならびに使用を制限している箇所(医療機関、航空機内、イベント会場、テーマパーク、官公庁、公共施設など)もある。また一般的なラジオやミュージックプレーヤーとは違い、そのアンテナが目立つ形状は場所柄をわきまえないと誤解を受けやすいので注意が必要だろう。
「ALINCO DJ-X3」にはまだまだ沢山の機能があるが、ここはひとつひとつの機能紹介を意図した場ではないので遠慮しておく。
さて、文字通り毎日、一日中Macintoshの前に座り続けているのは目的はどうであれ誉められたことではないと思う(^_^)。パーソナルコンピュータ…Macintoshは私の日常にホビーであれビジネスであれ無くてはならないものであることは確かだが、向かい合っているばかりでは頭が固くなり、肩までも堅くなる(笑)。
ましてやMacintoshで新しい何かを生み出すには柔軟な発想と多様な情報、そして豊富な経験が不可欠であり、マシンの前に座っていただけでは良い物は生み出せない。だから私にとってレシーバーは、iPodによる音楽と同様に、気持ちの切替やリラクゼーションに役立つとともに雑学を含む様々な情報収集に威力を発揮する。そしてまた矛盾するようだが、思考に刺激を与えてくれるこれまた不可欠なツールなのである。
希望をいうなら、iPodにワイドバンドレシーバー機能が付けば鬼に金棒なんだが…(^_^)。