
Product ReportにアップしたBose Micro Music Monitor(M3)の記事をお読みいただいた複数の方から「M3の下に敷いてある黒いものは何か?」と質問をいただいた。そこでご返事がてら場所をこちらに変えて報告をさせていただくことにする。
さて、ある方からは「スピーカーの高さ調節なのか」というご質問もあったがそうではない。すでにオーディオに詳しい方はご存じだがこれはインシュレーターとかスペーサーを意図したものである。
※今回の主役はスピーカーの下にある黒い板状の物体である
インシュレート(Insulate)の意味は「隔離する」「孤立させる」「遮断する」といったことだがオーディオの世界ではスピーカーやアンプなどの振動から起きる共振を防ぎ音質向上に役立てるためのアイテムである。
私がM3の下に敷いたものは大昔にオーディオショップで購入したものだが、硬質のゴム製で片面はフラットそして反対側の面はノコギリの刃のようにギザギザした形になっている。さらに側面を貫通した5つの穴を持っている。このギザギサはスピーカーを置く台への接触面積を可能な限り小さくするためだという。
厚さは2cmほど、そして一辺が9cmほどの大きさである。まあ一言でいうなら「防振ゴム」である。
※硬質ゴム製のインシュレーター(右)。かなり昔に買ったものである
そもそもインシュレーターはスピーカーの振動を台に伝えないようにと考えられたものだがスピーカーの音やその箱鳴りが置いた台に伝わると余計な振動音により音像・定位・鮮明度に影響が出る。しかしそもそもM3はこうしたインシュレーターが必要なのか?
実は私の使用環境特有の問題があるのだ。
結論を先に申し上げればM3はその材質や設計によりいわゆる一昔前の安物スピーカー的な箱鳴りはない。無論パワフルなサウンドを出力するスピーカーだからエンクロージャーがまったく振動しないわけもないが底面の振動はかなり押さえられているし第一スピーカーの底には最初から薄い円形ゴム製の滑り止めと共振防止になるインシュレーター的なものが貼り付いている。したがって一般的にはしっかりした場所に設置されるなら特にインシュレーターは不用だと思われる。
しかし私の場合、コンピュータやモニターが置かれているその机が問題なのだ…。
これはすでに25年ほども前にパーソナコンピュータ(当時はマイコンと言っていた)用にと特注した机なのである。
寸法はもとより前面に引き出せる板を取り付けたり、足回りにコンセントを付けたりといった工夫のままに作ってもらった。またキーボードやモニターを一般的な事務机に置くとその位置が高くなりがちで肩や腕、そして目に負担がかかるということで私は床から机上面までの高さを64cmとかなり低めに設計した。このため椅子の調整にも関わってはくるがキーボードの高さに腕がほぼ水平となり理想に近い環境を作ることができる。また机上に置いたCinama Display 22″も少し見下ろす形となるので大変見やすく首や肩への負担も軽減できていると思っている。
しかしこの机上面にスピーカーを置くとなると問題が出てくる。それは机の天板が金属の板に樹脂コーティングしたものであるからだ。組立やら強度に問題はないがスピーカーを置くと振動が大変伝わりやすいのである。これはそのためのインシュレーターなのである。
インシュレーターの役割は例えば10円玉をスピーカー底四隅に置くだけでも”硬貨”だけに”効果”が出るという(笑)。
もともとオーディオ世界には多くのそして様々な定説があり迷うことや釈然としないこともあるが、要は自分で試すことが大切だ。その結果この古い防振ゴムを押し入れから取り出して使うことになった次第…。
勿論現在インシュレーターとして販売されている製品は多々あり、こんな無骨なゴム板ではない様々な素材を使った体裁のよい製品がある。しかしそれらの中にはかなり高価なものもあるし安くて見栄えがよく効果がある品を手に入れるまではこれで良いかな…と考えている。