Appleキーボード〜拡張機能キーの功罪を再考する
2007/11/25 19:24
タイプライターのキーやテレックスという通信端末機のキーから始まってコンピュータのキーボードを使いはじめて30年が過ぎた...。毎日キーを打ち続けていてなにを今さら...と言われそうだが、ふと昨今のキーボードに疑問を持ち始めた...。
パソコンのキーボードはマウス以上にパーソナルコンピュータを利用するには不可欠の機器である。
このところ、Macintosh 128KやApple IIで検証する作業があり、久しぶりにApple IIeをセットアップしてDOS 3.3を起動したり、Macintosh 128Kで漢字Talk 1.0を使ったりした。それら昔のマシンに付属のキーボードは懐かしいだけでなく昨今の柔い製品とは違ってコストがかかっているようでもあり指に心地よいものがある。
思えば私がコンピュータと名が付くキーボードに触ったのが1977年であったが、同じ年に小さな貿易商社に勤務し始めたこともあり、いわゆる英文タイプライターとか当時の通信端末機であったテレックスなどを覚え始めた。
それまでピアノとかオルガンのキーに触れたことはあってもタイプライターやパソコンのキーボードの経験はなかった。無論パソコンといったもの自体がやっと一部の話題に乗り始めた時代だったから、例えば「英文キーボード」とか「電動キー」などという話しはタイプライターのそれを意味するものだった。
したがって、最初のパーソナルコンピュータと称されるApple IIのキーボードもそれに触れてみれば分かるがタイプライターのそれを模したといえよう。この辺の話は別途「ピアノ演奏のように打鍵するにはパームレストは不要」をご参照いただきたいが、大げさにいえば初期のコンピュータキーボードはいわゆる電子タイプライターといった感じだった。
マックに話を絞ればMacintosh Plusからテンキーが付いた。そしてMacintosh IIの時代にオプションとして登場した「拡張キーボード(1987年1月発表)」からファンクションキーと共にドキュメントのナビゲーションコントロールが簡単に行なえる拡張機能キー類がフルキーとテンキーの間に設置された。この種のキーボードはIBMの101キーボードなどが知られているが「拡張キーボード」もこれらを元にビジネス向けを考察した結果と思われる。
※Apple最新キーボードの配置図
さて、問題はこれらのキーボードをモニターの前に設置して利用するとき、私たちは自然にモニターの左右幅中央にキーボードを置くに違いない。ほとんどの方が疑いもなくこうした環境下でキーボードを使っていると思われるが、そうであればユーザーはモニターに向かってその左側をメインに利用しているに違いない。無論これはノート型マシンの話ではなく、ディスプレイとキーボードが別々になっている機種を意味する。
※現在のキーボードとモニターおよびオペレータの位置関係はこんな感じで、一般的にはモニタの左側に座るはめになる。
私自身もそうなのだが、作業中のドキュメントやブラウザ、あるいはメーラーのウィンドウもモニターの左側に寄せて使うケースをよく見かける。
考えればこれは至極当然なことだ。なぜならキーボードをモニターに向かい中央に置くと、一番利用頻度が高いフルキー部位が左側にあるから、姿勢はその位置を中心に置かざるを得なくなる。したがってそのポジションは一般的にモニタの左端に対向してしまう。
私は22インチのCinema Displayを使っているが、モニターに向かって左側半分位置に身体を向けている。無論多くのユーザーインターフェイスは左上、すなわちメニューバーのアップロゴが位置する部位をある種の起点としているから、その位置を眼前にしていることは何らかのメリットがあるかも知れない。そして右利きの一人として身体の位置が空いた右側でマウス操作するということに慣れてしまったようにも思える。
しかし腱鞘炎を機会にMighty Mouseを含めたマウスの使用を止めてから、突如としてモニターの左端に座っている自分を不自然と感じるようになった(笑)。
実はAppleの新型キーボードが登場し、そのファーストインプレッションをご紹介した際に当サイトをご覧いただいているというKさんからテンキーが付いていないワイヤレスキーボードに姿勢矯正を期待している旨のメールをいただいた。興味深かったのは前記したように私自身も感じていた既存のキーボードに対する違和感と同じことを感じていらっしゃったことだ。
コンピュータのデバイス類にエルゴノミックスが謳われて久しいし、事実キーボードに関してこれまで多くの研究や考察が存在する。しかしどう考えても現在のAppleキーボードを含めて一般的な製品は右利きユーザーに特化したものだと思えるし、キータッチとかデザイン以前にキーボードの全体的な構成と仕様に熟慮した製品が少ないのはどうしたことなのだろうかと思う。そう...ここでは話が複雑になるのでキー配列の問題には触れないことにするが...(笑)。
例えば、最新のAppleキーボードのナビゲーションコントロールキー関連ブロックを左側にすれば、前記したモニターに対するユーザー位置は自然に中央寄りになるに違いない。そしてこれらの拡張キーの使用頻度はもともとカーソルコントロールを含めてそう高くはないと思うし、使うにしても右利きの人が左手で十分コントロールできる部類の機能ではないだろうか。したがってなぜテンキーの左になくてはならないのだろうか...。
※ナビゲーションコントロールキーのブロックをキーボードの左に持ってきた場合を想定した図(上)。および当該キーボードとモニターならびにオペレータの位置関係。この場合オペレータは一般的にモニター中央位置に座ることができる。
まあ姿勢のことを気にするなら「キーボードを右位置にずらせばそれで済むのでは...」という意見もあるだろうが(笑)、限られた机上スペースでは簡単ではないし、第一見た目にバランスも悪い。
こうした類に関わることは利用者によって大きく好みや指向が違うからしてすべてのユーザーが満足する製品作りは難しいと思う。しかしそろそろキーボードもキータッチやその素材を云々いうだけでなく、本当の意味で使いやすい製品作りを目指すべき時期に来ているのではないだろうか。
AppleはiPhoneやiPod touchのタッチユーザーインターフェイスで革新的な技術を提示してくれた。パソコンライフに不可欠のキーボードに対してもAppleに再構築を期待したいと思うのは私だけではないだろうと思う。
かつての9インチとか13インチといった狭いモニター領域の時代は気にならなかったが、20インチ以上のモニターを活用するケースが多くなったいま、キーボードも根本から見直すべきだと痛感しているのだが...。難しいなあ!
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パソコンのキーボードはマウス以上にパーソナルコンピュータを利用するには不可欠の機器である。
このところ、Macintosh 128KやApple IIで検証する作業があり、久しぶりにApple IIeをセットアップしてDOS 3.3を起動したり、Macintosh 128Kで漢字Talk 1.0を使ったりした。それら昔のマシンに付属のキーボードは懐かしいだけでなく昨今の柔い製品とは違ってコストがかかっているようでもあり指に心地よいものがある。
思えば私がコンピュータと名が付くキーボードに触ったのが1977年であったが、同じ年に小さな貿易商社に勤務し始めたこともあり、いわゆる英文タイプライターとか当時の通信端末機であったテレックスなどを覚え始めた。
それまでピアノとかオルガンのキーに触れたことはあってもタイプライターやパソコンのキーボードの経験はなかった。無論パソコンといったもの自体がやっと一部の話題に乗り始めた時代だったから、例えば「英文キーボード」とか「電動キー」などという話しはタイプライターのそれを意味するものだった。
したがって、最初のパーソナルコンピュータと称されるApple IIのキーボードもそれに触れてみれば分かるがタイプライターのそれを模したといえよう。この辺の話は別途「ピアノ演奏のように打鍵するにはパームレストは不要」をご参照いただきたいが、大げさにいえば初期のコンピュータキーボードはいわゆる電子タイプライターといった感じだった。
マックに話を絞ればMacintosh Plusからテンキーが付いた。そしてMacintosh IIの時代にオプションとして登場した「拡張キーボード(1987年1月発表)」からファンクションキーと共にドキュメントのナビゲーションコントロールが簡単に行なえる拡張機能キー類がフルキーとテンキーの間に設置された。この種のキーボードはIBMの101キーボードなどが知られているが「拡張キーボード」もこれらを元にビジネス向けを考察した結果と思われる。
※Apple最新キーボードの配置図
さて、問題はこれらのキーボードをモニターの前に設置して利用するとき、私たちは自然にモニターの左右幅中央にキーボードを置くに違いない。ほとんどの方が疑いもなくこうした環境下でキーボードを使っていると思われるが、そうであればユーザーはモニターに向かってその左側をメインに利用しているに違いない。無論これはノート型マシンの話ではなく、ディスプレイとキーボードが別々になっている機種を意味する。
※現在のキーボードとモニターおよびオペレータの位置関係はこんな感じで、一般的にはモニタの左側に座るはめになる。
私自身もそうなのだが、作業中のドキュメントやブラウザ、あるいはメーラーのウィンドウもモニターの左側に寄せて使うケースをよく見かける。
考えればこれは至極当然なことだ。なぜならキーボードをモニターに向かい中央に置くと、一番利用頻度が高いフルキー部位が左側にあるから、姿勢はその位置を中心に置かざるを得なくなる。したがってそのポジションは一般的にモニタの左端に対向してしまう。
私は22インチのCinema Displayを使っているが、モニターに向かって左側半分位置に身体を向けている。無論多くのユーザーインターフェイスは左上、すなわちメニューバーのアップロゴが位置する部位をある種の起点としているから、その位置を眼前にしていることは何らかのメリットがあるかも知れない。そして右利きの一人として身体の位置が空いた右側でマウス操作するということに慣れてしまったようにも思える。
しかし腱鞘炎を機会にMighty Mouseを含めたマウスの使用を止めてから、突如としてモニターの左端に座っている自分を不自然と感じるようになった(笑)。
実はAppleの新型キーボードが登場し、そのファーストインプレッションをご紹介した際に当サイトをご覧いただいているというKさんからテンキーが付いていないワイヤレスキーボードに姿勢矯正を期待している旨のメールをいただいた。興味深かったのは前記したように私自身も感じていた既存のキーボードに対する違和感と同じことを感じていらっしゃったことだ。
コンピュータのデバイス類にエルゴノミックスが謳われて久しいし、事実キーボードに関してこれまで多くの研究や考察が存在する。しかしどう考えても現在のAppleキーボードを含めて一般的な製品は右利きユーザーに特化したものだと思えるし、キータッチとかデザイン以前にキーボードの全体的な構成と仕様に熟慮した製品が少ないのはどうしたことなのだろうかと思う。そう...ここでは話が複雑になるのでキー配列の問題には触れないことにするが...(笑)。
例えば、最新のAppleキーボードのナビゲーションコントロールキー関連ブロックを左側にすれば、前記したモニターに対するユーザー位置は自然に中央寄りになるに違いない。そしてこれらの拡張キーの使用頻度はもともとカーソルコントロールを含めてそう高くはないと思うし、使うにしても右利きの人が左手で十分コントロールできる部類の機能ではないだろうか。したがってなぜテンキーの左になくてはならないのだろうか...。
※ナビゲーションコントロールキーのブロックをキーボードの左に持ってきた場合を想定した図(上)。および当該キーボードとモニターならびにオペレータの位置関係。この場合オペレータは一般的にモニター中央位置に座ることができる。
まあ姿勢のことを気にするなら「キーボードを右位置にずらせばそれで済むのでは...」という意見もあるだろうが(笑)、限られた机上スペースでは簡単ではないし、第一見た目にバランスも悪い。
こうした類に関わることは利用者によって大きく好みや指向が違うからしてすべてのユーザーが満足する製品作りは難しいと思う。しかしそろそろキーボードもキータッチやその素材を云々いうだけでなく、本当の意味で使いやすい製品作りを目指すべき時期に来ているのではないだろうか。
AppleはiPhoneやiPod touchのタッチユーザーインターフェイスで革新的な技術を提示してくれた。パソコンライフに不可欠のキーボードに対してもAppleに再構築を期待したいと思うのは私だけではないだろうと思う。
かつての9インチとか13インチといった狭いモニター領域の時代は気にならなかったが、20インチ以上のモニターを活用するケースが多くなったいま、キーボードも根本から見直すべきだと痛感しているのだが...。難しいなあ!
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